スポーツは心理戦から学ぶまちづくりリーダー論


大相撲は心理戦です。
9月場所はそんな思いを強めた場所でした。

横綱大の里は大きな身体と技は天下一品ですが精神的な強さに難がありました。
相手に押されると引いてしまう悪い癖があります。

9月場所は悪癖を出すことなく1敗で千秋楽を迎えました。
2敗の横綱豊昇龍との一戦、一方的に土俵の外に突き出されました。

精神的な弱さがあからさまになったと思いました。
解説の琴風さんが「前日の豊昇龍の立ち合いがあたまにあったのかな~」と語ってました。

その通りだと思いました。
豊昇龍は前日、横綱にもかかわらず立ち合いの変化で勝利を収めたのです。

逆転優勝することへの飽くなき執念でした。
この半端でない情念は大の里の心のナイーブさを揺さぶったと思います。

しかし優勝決定戦は見違えました。
俊敏な動きで巨体を寄せて豊昇龍を土俵の外に投げ倒しました。

大の里は精神的にひと皮もふた皮もむけました。
開き直って挑戦したことへのごほうびです。

心理戦は団体競技にも当てはまります。
バレーボール男子、世界選手権決勝トーナメントに進めませんでした。

キャプテン石川祐希選手の不調が痛いです。
石川選手は2021年の東京オリンピック2024年のパリオリンピックに続く敗北です。

ここで決めて欲しいという時にミスします。
キャプテンの精神的弱さはチームの勢いをそぎます。

団体競技のキャプテンはまちづくりの現場に置き換えれば首長です。
首長も精神的な強じんさが求められる職業のはずです。

「はず」と書いたのは挑戦しない首長が多いように感じてならないからです。
座っているだけで守りに徹するならこれほど楽な商売はありません。

直面している課題に果敢に挑むには精神的にタフでなければなりません。
失敗すると落選のふた文字が目に浮かぶからです。

開き直りが不可欠です。
大の里の優勝決定戦と同じです。

首長は本来高みの見物が許されない職業です。
挑戦できなくなっったら職を辞す覚悟が必要です。