高市新総裁の前途を決める10日間
自民党総裁選挙は民意を無視できないというのが教訓です。
永田町の数合わせは通用しませんでした。
2001年の小泉純一郎さんの登場の時に似ています。
小泉さんの時はフィーバーとなり派閥の論理を圧倒しました。
小泉現象とまではいきませんが似た空気感の中で高市新総裁の登場です。
主導権を取れるかは人事をみればわかります。
小泉さんは派閥推せんという慣例を破りました。
田中真紀子さんを外務大臣に就けるといったあらわざ人事を断行しました。
幹事長は総裁選で恩義のある麻生派から鈴木総務会長を充てると報じられてます。
目新しさはありません。
むしろ麻生さんの好き嫌いで人事が左右される恐れがあります。
林官房長官の処遇に注目してます。
林さんの後ろ盾には麻生さんと敵対関係にある古賀誠元幹事長がいます。
林さんだけには冷や飯を食わせるとしたら挙党態勢にはなりません。
高市さんと麻生さんの力関係を視る指標です。
今回の人事の隠れた焦点です。
萩生田光一さん西村康稔さんなど旧安倍派の裏金議員の扱いも注目です。
古い話ですが橋本龍太郎元総理の人事が思い出されます。
1997年9月の内閣改造でロッキード事件で有罪判決を受けた大物を登用しました。
世論の反発が出て政権崩壊の遠因となりました。
もうひとつ主導権を握る強力な手段は連立政権拡大です。
自社さ政権のようなあっと驚く連立を樹立できれば一躍ヒロインです。
連立拡大には軍師が必要ですが菅元総理は小泉さん推しで失速です。
岸田元総理は小泉さんと林さんの二股かけ沈没しました。
残るは麻生さんです。
今回はキングメーカーでした。
しかし連立劇といった荒波を仕切ったことはありません。
がらっぱちの振る舞いにだまされてはなりません。
特色を出そうとすればあつれきが。
波風を立たせないように進めれば失望が。
高市新総裁の出足のかじ取りは結構デリケートです。
臨時国会までの10日間が高市新総裁の前途を決めるように思います。