”脱学校”で探求学習を深化させる
私は東大教育学部の出身です。
最近東大も盛んに学外との連携を試みてます。
18日は「ホームカミングデイ」で東大の今を知ってもらうための一日でした。
教育学部から卒業生に対し講演の案内が届きました。
著名な教育学者の佐藤学名誉教授が登壇者でした。
テーマは「探求の教育・探求の教育学」でした。
リモートで視聴しました。
質疑も含めて3時間近くの長丁場でした。
”探求”という意味を軽く考えていたと思い知らされました。
より深く背景をえぐるような学びが探求という言葉に相応しいです。
単に知識を集めるのは探求のほんの入り口に過ぎません。
しかし情報が入り乱れている現代においては浅い探求で済ませがちです。
それは教育現場でも同じです。
佐藤さんは探求学習が重要だと叫ばれながら旧態然とした教育のままだと警鐘を鳴らしてました。
特に高校教育がひどいということでした。
改革が急務です。
探求を深めるにはふたつの要因がある佐藤さんは言います。
ひとつは与えられた知識をうのみにすることなく疑問を問い続ける姿勢を保つことを求めてます。
もうひとつは他者の存在です。
別の考え方を持つ人と意見交換することが探求を深めます。
グループで学ぶことの大切さを言っています。
小中学校では取り入れられてきていますが高校は全く不十分だとしてました。
佐藤さんは教室の構造を疑問視してました。
教師が一方的に教えるのに合わせた教室の作り方を改める必要があると主張してました。
学校の統廃合が進み新たな小学校の建設や大改修の時期です。
探求の教育に合わせ教室の構造を考えて欲しいです。
それと他者の視点は何も児童生徒の間に限りません。
様々な立場の人たちをゲストとして招いたり現場に出向いたりすることによっても得られます。
児童生徒は学校から外に地域の人びとは学校へ。
”脱学校”は探求の教育にはまります。
地域との連携による探求学習の深化。
高校教育改革のひとつの柱になると思いました。