政局の注目の的は公明

高市総理の所信表明に公明の斎藤代表が刺激的な発言をしました。
「独裁ではないか。」と。

「政権の基本方針と矛盾しない限り」各党の提案を受けるとのくだりです。
その後表現が適切でなかったとしたものの本音が垣間見えました。

公明の政権離脱と入れ替えに維新を選んだ高市総理に対し警戒感をあらわにしていると言えます。
公明にとって維新は天敵的存在です。

いちいち「政権の基本方針」など持ち出さず広く意見を受け止めるとするのが一般的です。
あえて挿入したと見るのが妥当です。

政権の基本方針とは自民と維新の連立政権合意書がベースにあります。
公明にとってみれば副首都構想はもちろん衆院比例代表の定数削減はもってのほかでしょう。

政権の方向性に反することについての議論は受け付けないとなれば公明の反発は当然です。
高市政権が抱える火種がいっそう明確になった一幕でした。

世間離脱で自由な身となった公明は独自の主張を展開しやすくなりました。
安全保障分野ではハト派傾向、内政分野では分配を重視すると見られます。

高市政権の方向性とは明らかに異なり政権との間合いが狭まる可能性は低いと見てます。
ひとことで言えば野党色が強まるということです。

多党化現象の中で公明の立ち位置の変化がもたらす影響は小さくありません。
公明にはハト派傾向と分配重視の勢力を吸引する力が備わっているからです。

先の参院選で比例代表の得票が600万票を割ったとはいえ結集力は際立ってます。
衆院289小選挙区すべてで影響力を行使できます。

公明党の方針に沿って支持するしないを決められるということです。
ひとりを選ぶ小選挙区ではこの動きは脅威です。

とくにこれまで支持を得ていた自民党議員にとっては気が気ではないはずです。
自民議員の不安は高市総理の政局運営にジワリと影響を及ぼすと思います。

政権離脱は公明にとってはある種賭けです。
しかしその賭けはばくちではなく十分計算できるものです。