佐賀県の古川康知事の良心に従った決断を期待します。
(写真は、オスプレイ ウィキペディアより)
政府は、古川康佐賀県知事に対して沖縄に駐留している在日米軍の普天間基地に配備されている垂直離発型の輸送機オスプレイを佐賀空港に移転することを要請しました。
表面上は古川知事の決断が焦点となっています。しかし水面下で政府に相当のところまで押し込められていると見るのが一般的です。
古川知事は、3・11の福島第一原発事故の後の6月政府主催の原発再稼働に関する意見交換会の持ち方をめぐってメールで九州電力に助言した人物です。
東大法学部卒業後元自治省(現総務省)に入り佐賀県知事に転じた典型的なエリートです。頭脳は優秀でも反骨の気概は疑問符がつくことは否めません。
古川知事は地方分権改革推進の旗振り役の一人で私も地方分権改革推進委員会の委員当時パネルディスカッションに同席したこともあります。
5年ほど前のことだったと思います。既にスマートフォンを使いこなしていました。話しが歯切れが良くて軽やかな印象でした。
全国知事会のエースの一人と目されていました。しかし九州電力へのメール事件で古川知事の将来に一気に暗雲が漂い始めました。
辞職まで追い込まれるのではないかとも思われましたが踏みとどまりました。知事の実績が佐賀県民に評価されていたからだと思います。
その古川知事に政府が照準を絞り、政府にとって難問中の難問、沖縄の普天間基地のオスプレイの受け入れはできないかと迫ってきました。
メール事件で窮地に陥った時、古川知事は、相当に政府筋からの応援があったことは想像に難くありません。義理というか借りがあると推測します。
そこを狙ってくるところは知恵者がいるものです。しかし佐賀県民を代表する知事が個人的な貸し借りで重大政策を判断することがあってはなりません。
古川知事の人間としての存在意義が問われます。佐賀県民の本当の意向をきっちりと汲み取り古川知事の良心に従って決断をして欲しいと切望します。
民間空港が、軍用空港になる話です。常識的には、県民にとっては唐突な政府提案を受け入れることは困難です。少なくとも相当程度の時間がかかります。
政府は沖縄の在日米軍基地の負担軽減のための措置については都道府県に対しても財政支援する方針を明らかにしています。佐賀県を意識してのことでしょう。
一時のおカネの話ではありません。佐賀県にとって重大な岐路となる話です。一度受け入れてしまったら後戻りは非常に困難です。
古川知事が一切のしがらみを断ち切って一人の人間として良心に従った決断を下して欲しいです。どっちになるかはおのずから明らかです。私は古川知事を信じます。