侵略戦争の事実を忘れないことの大切さ再認識しましょう。

7月7日に行った「日中関係の未来を拓く!~日中国交正常化に命をかけた経済人岡崎嘉平太に学ぶ~」の反省会がありました。

元神奈川県副知事の久保孝雄さんら実行委員会の主要メンバー5人で意見交換しました。100人が集まり会場が満席だったことを皆さん喜んでました。

久保さんは、ある方が、日中関係が現状のままではいけないと思う方が徐々に増えてきていることの証ではないかと感想を述べていたと話していました。

私は、岡崎嘉平太さんのご子息の眞さんより色紙が届いたことを紹介しました。「前事不忘 後事之師(前事を忘れざるは後事の師なり)」と書かれていました。

7月7日の会で岡崎眞さんが紹介されていた岡崎嘉平太さんの色紙です。岡崎さんの一周忌の時に印刷されて参列者に配られたものです。

色紙と一緒に岡崎嘉平太さんの奥様の参列者への御礼の手紙が添えられていて、岡崎さんの色紙のうちなぜこの言葉の色紙を選んだかの理由が書かれていました。

岡崎嘉平太さんが訪中旅行の数々のスピーチにおいても、戦争責任の問題を言い続けていたのが「前事不忘 後事之師」を選んだ理由だということです。

岡崎家平太さんは、日本人が侵略戦争をした事実を忘れないよう努力することの大切さを身に染みて感じ中国の方々にその決意を述べられていたのだと思います。

敵である日本が中国にやってきて戦争を行い多くの身内が殺戮された経験を持っている中国国民がその恨みを簡単に忘れる訳がありません。

逆に考えてみればすぐ判ります。それなのに様々な理屈を弄して侵略戦争の事実やその責任をあいまいにする言説が絶えないことを憂えます。

侵略戦争に対する責任をあいまいにすることは日本の立場を弱くすることに他なりません。講和条約を取り結んだ根本の考えを否定することにつながります。

日本は侵略戦争の事実を認めて国際社会に復帰したのではないでしょうか。認めないというのならば戦後社会のあらゆる前提をひっくり返すことになります。

それとなによりも侵略戦争をしたという事実を認めて始めて日本国民も多大なる犠牲を強いられたということを外に向けて訴える訴求力を持ちます。

日本全国各地の大空襲、沖縄での地上戦、広島と長崎への原爆攻撃。アメリカの理屈は日本の軍国主義を叩き戦争を終わらせる手段だったと正当化してます。

この理屈に対し侵略戦争の事実を認めない論では正義対正義の戦いであったので日本が多大な犠牲を強いられたのは止む得ないという結論になります。

私はそうではなく日本が犯した侵略戦争の事実をきちんと認めたうえで勝つためには手段を選ばなかったアメリカの残虐性を問うべきだと思っています。

侵略した相手の中国と論争するのではなく残虐な手段で殺戮した相手のアメリカのやり方に疑義を呈するのが本来の在り方ではないかと思います。

また侵略した事実を認め残虐した行為を深く反省する態度があって初めて中国や北朝鮮で続いている人権侵害に対しても堂々とものが言えると思います。

原爆を投下された8月6日と9日、そして戦争に敗れた15日がやってきます。戦争責任を忘れないことがいかに大切かを思い起こす日とする必要があります。