勇ましさに溺れず、しなやかな平和主義を目指しませんか。
69回目を迎える広島原爆の日の朝日新聞朝刊に日本国際フォーラムの全面国国が掲載されていました。積極的平和主義とは何かが書き込まれていました。
国際政治学者の伊藤憲一さんが理事長でまるで政治家のポスターみたいな様相で斜め横を向いてはるか彼方を見つめる写真が載っていました。
現代の国際情勢の混迷は、1990年のイラクによるクウェート侵攻と2011年の同時多発テロにあると太字で書かれていました。
力で国境を変更しようとするならず者国家の存在と無差別攻撃を仕掛ける国際テロが世界を不安定化させていると強調しているのだと思います。
本文では、まずロシアのクリミア半島の編入がやり玉に挙げられていました。かつてナチスドイツがチェコスロバキヤ領の一部を迫った時と同様だと述べます。
宥和政策を取ることは世界を混乱に陥れるので世界平和主義を掲げてロシアに厳しい態度を取るべきで日本もその戦線に入れと促しています。
ロシアに対して甘い態度を取ることは中国の領土的な野心を喚起することにつながり中国が「第二のロシア」になるリスクを孕むと言い切っています。
それゆえ、日本は、他の民主主義国とともにロシアへの経済制裁に強い態度で臨むとともにロシアのクリミア編入を許さないという原則を貫けと主張してます。
最後に積極的平和主義の意義を強調してます。日本は一国平和主義の眠りから覚めて世界平和主義の旗を掲げなければならないとしています。
具体には国連の国際安全保障措置には軍事力行使を伴うものを含めて参加することや集団的自衛権行使のための法整備を急ぐことなどを提言しています。
国連の存在意義を強調している者の日米同盟とNATOなどと連携して力の外交政策を取ることができる国に脱皮せよとの提言です。
こうしたマッチョな軍事力を土台とする国を目指す勢力が堂々と主張する時代となりました。主要全国紙に広告を出しているのだと思います。資金力があります。
こうした勢力が声高に日本の進路を主張することは一方でもっと違った形の国づくりを進めようとする勢力の結集を図るチャンスでもあります。
憲法9条の解釈の変更で集団的自衛権の行使を認める姿勢を改めて軍事力の行使に慎重すぎるほど慎重であったこれまでの日本の外交路線の復活を目指したいです。
そして長期的展望として憲法9条の精神の究極的な姿として非武装中立を目指す国造りを堂々と主張できる勢力をもう一方で創造しないと片手落ちになります。
今、同志と一緒に10月に横浜で沖縄と日中問題を考えるパネルディスカッションの準備を進めています。昨日も会合を持ちました。
野中広務元内閣官房長官や柳沢協二元内閣官房副長官補らをゲストに迎えます。この場を通じてもう一つの日本の進路を発信する端緒にしたいと思います。