川崎と県西部の連携で地域興し
昨日、川崎商工会議所の山田長満会頭を表敬訪問しました。1時間ほど時間をいただき躍進する川崎と神奈川県西部の連携の必要性を訴えました。
山田会頭は、税理士で企業家の育成に力を注いでおり、神奈川県がベンチャー企業育成のため立ち上げた「かながわサイエンスパーク」の社長も務めました。
我々一般社団法人「酒匂川流域自然エネルギー研究開発協議会」が神奈川県などに提案している構想を実現するためにはベンチャー企業の創業が不可欠です。
一般社団法人の理事に下條武男さんというIT関連のベンチャー企業で成功を収められた方がいます。下條さんの紹介で山田会頭との意見交換ができました。
山田会頭に、足柄の歴史再発見クラブが富士山の宝永噴火から300年の節目にまとめた『富士山と酒匂川』をまず最初に渡し話し始めました。
1707年の富士山宝永噴火で足柄地域を流れている酒匂川は噴火の砂で埋まり大洪水を引き起こしました。地域は壊滅的な被害を与えました。
江戸幕府8代将軍、徳川吉宗の命令で治水工事を担当したのは、田中丘隅という川崎宿の名主出身の人物であったことを伝えたかったからです。
田中丘隅のおかげで今日の酒匂川流域は安定していることを伝えました。山田会頭も初めて聞く話だったようで非常に関心を示されました。
そして酒匂川を流れる水は小田原市内の取水堰で水がとられ横浜や川崎といった大都会に飲料水として送られていることを説明しました。
神奈川県西部地域と川崎は水を通じて深い結びつきを持っている訳ですが、両地域の住民、とりわけ大都市側の住民の関心は薄いと問題点を指摘しました。
神奈川県西部は、山林の荒廃が進んでいます。水を育む山が荒れていることは大都市部の住民にとっても一大事であるのですが問題意識は共有されてません。
私たちが一般社団法人を立ち上げて活動しているのは、新たな産業を興すことで山林の荒廃や地域の活力の低下に立ち向かおうとしていることを訴えました。
小さな植物工場、酒蔵の再生、薬草生産、県産材利用の新型の合板製造、街のグリーン化の5分野についても簡単に触れ企業化を目指すことを説明しました。
新たな産業を興すには資本が要ります。資本が豊富にあるのは大都市部です。川崎との連携で資本の集積を図り県西部の活性化に役立てたいと話しました。
山田会頭は、小口で多くの人たちから賛同をしてもらえるような仕組みを作ることが大切だとアドバイスされました。もっともだと思いました。
田中丘隅が酒匂川の治水工事をした後、中国の治水神禹王を祀った話題も出しました。解説した冊子もお渡ししました。興味深そうでした。
川崎は神奈川の躍進の象徴です。その活力を衰退傾向にある神奈川県西部にも振り向けていただきたいです。東の端と西の端の連携です。
オール神奈川で神奈川の地域興しを進める体制が組めるのならば神奈川県の持つ潜在力からして道州制になっても単独の州としてやって行けると話しました。
山田会頭もオール神奈川体制で経済活性化にまい進することに大賛成という考えでした。まずは県西部との連携でオール神奈川体制への一歩を踏み出したいです。