酒蔵再生への道

昨日、東京で東京農業大学の醸造学科の担当教授と意見交換しました。小田原出身で現在も小田原にお住いということでびっくりしました。

東京農大の醸造学科には日本全国から造り酒屋の跡取りが入学して卒業して行きます。そのネットワークは全国に広がっています。

『醸す人』というタイトルで一冊の本にまとめらています。1950年に醸造学科が設立され全国の大学で専門学科があるのは東京農大だけです。

卒業生は8000人を超えています。清酒だけでなく、みそ、しょう油、ワイン、焼酎もあります。何と経営者の60パーセントが東京農大だということです。

開成町にある瀬戸酒造の復活への夢を語り協力をお願いしました。酒米の生産から醸造、そして販売まですべての分野とのつながりがあります。

包括的に協力関係が築き上げれればこれほど力強いことはありません。酒米は生産が極めて難しく若い生産農家の育成が課題です。

東京農大出身で開成町で無農薬でコメの栽培をしている若い農家もいます。こうした若者へ働きかけてチームを組んで行くことが必要です。

大学の協力は欠かせません。担当教授は酒米は原点に回帰で「日本晴れ」で造るのはどうかというアイデアをいただきました。

面白いと直感しました。足柄地域では昔日本晴れ作ってました。酒米になるということを知りませんでした。これならやれるのではないかと思いました。

使える醸造機械が残っているのならば一部にせよ活用できるところは活用して昔ながらの酒造りをイメージさせる工夫も検討の余地があると言われてました。

コンパクトな最新式な設備で一新した方が効率的だとばかり思ってました。最新システムとは別に昔ながらの醸造も見せることができれば観光資源になります。

販売のノウハウも東京農大の酒蔵ネットワークから得ることが期待できます。ネーミングが大切です。現在の酒田錦ブランド以外に発信していく必要があります。

酒米が日本晴れだとしたら「快晴」という名前魅力的です。教授はひらがなで「かいせい」にしたらどうかと言われていました。開成と快晴どちらにも取れます。

夢は広がります。まずは蔵元にこれならばという提案をして行かなければなりません。酒米生産は町や農業委員会の理解を得なければ前に進めません。

3億円以上かかると言われる資金の手当てもあります。販路をどう確保していくのかという決定的な課題もまだ手つかずです。

難問山積のように見えますがだからこそ挑戦する価値があります。酒蔵の再生を通じて農業の再生につながり観光振興にもなります。

東京オリンピックの2020年、町制65周年の年に開業を目指したいです。あと6年です。今年から来年にかけて構想を詰めて5年計画で再生したいです。