安倍改造内閣の本質を考える。その1
第二次安倍内閣の初めての党役員人事及び内閣改造が行われました。この内閣が何を目指しているのか私なりに考えてみました。
いの一番は、財務省の消費税10パーセントへのあくなき執念です。谷垣禎一新幹事長は法務大臣だった改造前の8月消費税10パーセントをぶち上げました。
私はこの時期にこの発言、何か裏があると直感しました。結果として幹事長就任でした。この人事の黒幕は財務省だと推理してます。
このところの経済指標の悪化で予定通り消費税を来年の10月に10パーセントに引き上げられるかどうか微妙になってきたと見るのは常識です。
自民党の方は来年の統一地方選挙を控えていますので消費税の増税には触れたくないのが本音だと思います。財務省はスポークスマン探しをしたと思います。
白羽の矢が立ったのが谷垣さんだったと思います。財務大臣経験者で財務省の論理にすっかり染まっています。適任だと判断したのだと思います。
谷垣さんはいわゆるハト派で対立が深まっている中国との関係改善に資すると言われてます。対中国関係は谷垣さんがキーパーソンではありません。
党三役の一角、二階俊博総務会長がカギを握る人物です。数千人規模の訪中団を組織できる実力者で谷垣さんとは比べ物になりません。
谷垣幹事長起用の本質は外交ではなく内政の最大の課題消費税10パーセントを成就するという財務省の強い意思の表れだと見るのが妥当だと思います。
谷垣さんは京都府が選挙区です。しかし住まいは東京です。父の死後選挙区を受け継いだ二世です。庶民の生活の痛みを感じ取る心を育てる機会が不足してます。
女性閣僚が5人になったと話題になっています。その代表格の小渕優子さんが経済産業大臣に就任しました。この狙いは明々白々です。
原発の再稼働への世論の反発を和らげるイメージ戦略であることは間違いないです。若い女性が記者会見した方が有利に作用すると思っているのでしょう。
私は、NHK記者時代小渕優子さんのお父さんの小渕恵三さんを担当しました。自民党の幹事長でした。優子さんは民放の記者成り立てだったと記憶してます。
父の急死で政界に転じ、盤石の地盤の元で5回の当選を重ね国家の枢要なポストに就きました。将来の宰相候補とかもてはやされています。
小渕優子大臣がどんな実力の持ち主か実態は判りませんが経験不足であることは否めません。むしろ経験不足だから経産相に抜てきされたのかもしれません。
原発推進勢力の海千山千の官僚が振りをつければ良いと判断したと思います。しかしそれでは単なる繰り人形です。宰相には遠いです。
女性は、子供を産む性です。まだこの世に生を受けていない子供たちにどんな環境を与えたら良いのかについて男性より敏感だと思います。
原発の底知れぬ危険性があからさまになった今原発社会にこれからも依存するというのは狂気だと心の奥底では感じているはずです。
小渕優子経済産業大臣が原発の危険性に目覚め脱原発を勇気を奮って唱えた時、たとえこの内閣で首を切られたとしても近未来の宰相候補に一気に浮上します。