今、世界で一番慌てている一国のリーダーはイギリスのキャメロン首相ではないでしょうか。国のかたちが変わってしまうかもしれないからです。

スコットランド独立の可否を問う住民投票が18日に実施されます。予断を許さないという見方が広がってきました。

独立派が勝てば、イギリスという国のかたちは一気に崩れる可能性があります。将来構想の準備はありません。混乱も必至です。

そもそもイギリスという国は、イングランド、ウェールズ、スコットランド、アイルランドの四つの国の連合体みたいな構造です。

サッカーやラグビーといったスポーツでは、イギリスという国の代表ではなくかつての王国の代表チームで戦っています。

ラグビーではブリティッシュライオンズという四つの王国の統合のチームが編成されることがありますが、こちらの方が稀です。

普段はイングランドとかスコットランド代表として国の名誉をかけて選手たちは戦います。試合前には王国を象徴する「国歌」が歌われます。

この中で格別に独立心の強いのがスコットランドでイングランド中心のイギリスの支配からの脱却を目指す運動が盛んです。

ブレア首相時代に地方分権改革が進みかつての王国の自治権の拡大がなされました。しかし、それでは不十分だということです。

私は、スコットランド独立の動きは、文明史的に見て必然の動きだと捉えています。近代以降の中央集権の時代の終焉を示していると思います。

通貨や軍事をはじめとしてできる限りの権限を中央に集中し中央のコントロールに各地域が従う形式では各地域の自律的な発展は望めません。

各地域に大胆に権限を渡し各地域に地方政府を樹立し中央政府は統一性を保つために最低限必要な権限に限定する発想が求められます。

その最も極端な形が国としての独立です。今回のスコットランドの動きです。一気呵成に独立まで行くのは革命に等しいです。

本来ならば今回の住民投票における独立運動の高まりを受けて事実上の独立に近い一国二制度のような制度設計が望ましいです。

スコットランド独立の動きは世界に波及する可能性が十二分にあります。独立への渇望から激しい闘争を仕掛けている地域もあります。

中国やロシア、インド、スペインといった各国、内心他人ごとではないと思います。国内に民族自決の不穏な火種を抱えています。

まさか、イギリスという先進国から民族自決の荒波がやってくるとは思っていなかったのではないでしょうか。

世界の潮流だと考えて対応をする必要があります。日本もそうです。中央集権体制に代わる新たな道を探る必要があります。

日本では、武装闘争など極端な形での独立論は考えられません。しかし、沖縄のように特別の自治州を目指す動きもあります。

日本は人口減少時代に突入しています。各地域の活力を維持しながら人口減少という社会の激変に対応するためには地方政府の樹立が必要です。

人口減少と言っても各地域によって抱えている実情の違いは大き過ぎます。各地域に会った形で強力な対策が求めらています。

まず、北海道と沖縄、この二つの地域を特別州として強力な地方政府を樹立し地域の自主性を活かした形の制度を創設したらどうかと思います。

北海道が日本のスコットランド、沖縄が日本の香港です。一国二制度の積み上げによって漸進的に国のかたちを変えてくのが適当です。