維新の党、双頭の鷲体制への疑念
国政であろうと地方の地域政党であろうと複数が党首として並立する共同代表という方式でその政党が目指す理想を実現できるか疑問です。
共同代表というやり方はイベントなど期間限定の催しを実現させるため幅広い支援を得ようと顔となる力のある人を表に出すやり方です。
呼びかけ人の代表みたいなもので継続的ではなく随時選ばれる側面が強いと思います。政党は、そんな軽いものではないでしょう。
政治生命をかけて実現したいと考える理想があってその理想を体現する人が党首となるのが本来の姿です。複数ではなく一人に絞られます。
2人、3人がトップの顔だと言われても第三者は戸惑います。最終的にはだれが責任を取るのかが全く不明であるからです。
様々な国政上の懸案にぶち当たるとその都度意見が分かれる危険性が強いです。リーダーが複数ですので当然です。
維新の党は双頭の鷲体制でスタートしました。最初から分裂含みであることを内外に示したも同然です。先行きの混乱が見えてくるようです。
政党運営の要の役職が橋本代表の配下にある大阪府知事が就任したということで大阪側が国会をコントロールする体制だと判断します。
こんな無茶な体制は成り立ちません。国政の内情に精通していない地方の知事が幹事長などということは奇妙です。
橋下市長のテレビニュースに映った顔は甘さが微塵も感じられず引き締まっていました。相当の覚悟を感じました。
橋本さんの生命線である大阪都構想が孤立無援状態に立ち至っている現状の厳しさとそれを打開したいとする執念が表情に出たと思います。
しかし、本当の捨て身ならばトップに立つのはおかしいです。国政政党ですので党の運営は、全て国会議員に任せた方が良いのは当然です。
自らは国会議員を支える側に回った方がよほど迫力を増します。大阪都構想の実現以外は基本として口を出さないぐらいがちょうど良いです。
大阪都構想を実現しようと思えば安倍政権はもちろんのこと、主要政党の支援が必要です。今みたいに四面楚歌では実現できません。
実現を目指すのならば橋下市長は国政と一線を画して大阪都構想の実現の一点突破全面展開にシフトするほか選択の余地はないと思います。
それなのに維新の党の共同代表に就任したということは、国政課題も同時に引き受ける訳です。他政党と対立も引き起こす訳です。
結果として大阪都構想の局面打開が遠のきます。覚悟の示し方を間違いました。覚悟とは身を捨てることです。身を捨ててこそ浮かぶ瀬ありです。
大阪都構想は、先行き一段と厳しくなりそうです。本来なら日本全体で大いに議論するに足る国と地方の在り方の問題提起でした。残念です。