「地方消滅」への具体策を考える。その2
昨日のブログで「地方消滅」への処方箋のいの一番が50年スパンの「長期計画」だと書きました。肩の力が抜けた方も多いのではないでしょうか。
そんなことは判り切っていて当たり前のことを今さら言っているに過ぎないし、期待外れの意見だと思われたに相違ありません。
しかし、その当たり前のことができていません。この時代に50年スパンの長期計画を描くことはとてつもない困難さを伴います。
これまでも長期計画はありました。しかしそれらは全て全く役に立ちません。高度成長時代の夢を追いかけていたに過ぎないからです。
今度の長期計画は、日本の長期衰退をいかに食い止めて安定した成熟社会を創造するかという全く新しい観点からの計画です。
過去の高度成長の夢ときっぱりと決別する覚悟が求められます。意識の大転換が必要だということをしっかりと認識しなくてはなりません。
国も県も市町村もこれまではインチキの長期展望に基づいて計画を立てていました。開発計画をでっち上げて人口が増えるというシナリオです。
このシナリオは幻想です。リーダーがこのように断言しないと50年スパンの長期計画は立てられません。立ててもインチキです。
神奈川県西部地域は、開成町を除いて人口減少地域です。しかし各市町村の計画は人口増が可能であるかのような計画になっています。
このインチキを認めることから全てが始まります。開成町もいずれ人口が減少することを明言して取り掛かることが不可欠です。
現状は、こうした意識転換を図る必要があるという危機感を持っているリーダーは…。残念ですが見当たりません。ここが大問題なのです。
日本中多かれ少なかれ同じようなものです。過去の処方箋で活性化策を打てば人口を引き寄せることができるという幻想に浸っているだけです。
根本の誤りを正すことが絶対条件です。高度成長時代の過去に見切りをつけることが全ての始まりだと思います。中途半端はダメです。
現存する計画は全て白紙に戻しゼロベースからもう一度考え直すことがどうしても求められます。それを行った地域が生き残ります。
インチキにインチキを塗り重ねた役人の作文をゴミ箱に捨てて一からやり直す地域はどこでしょうか。興味津々です。
行政は高度成長の過去を捨てられないと思います。自分で作った計画を自分で否定することは、なかなか容易なことではありません。
だとすると民間が立ち上がって高度成長の夢から脱却して地産地消の経済を立ち上げて新しい成熟社会を創ることを目指し行動することです。
行政の動きの遅さは急には変わりません。責任逃れの体質も同じです。民間で動いた方がはるかに手っ取り早いです。
高度成長の夢から目覚めた民間の人たちの力を結集することが必要です。その力こそが50年スパンの長期計画を実現する原動力です。