「地方消滅」の具体策を考える。その4

秋風に揺らぐススキの穂(仙石原すすき草原)

(画像は箱根町ホームページより)

安倍総理大臣は、地方の問題に相当の力が入っています。現在開かれている臨時国会を地方創生国会とまで位置付けています。

「この国会に求められているのは、若者が将来に夢た希望を持てる地方の創生に向けて力強いスタートを切ることです。」と述べています。

地方創生の中で安倍総理大臣がいの一番に挙げているのが観光立国です。外国人観光客が増加している事例を挙げて後押しを宣言してます。

私の住む神奈川県西部地域に当てはめて考えて見ますと、世界の箱根を中心に広域で国際観光に取り組むということになると思います。

世界の人を呼ぶとなると箱根が中核です。箱根ブランドがあることは県西部地域の宝です。十分な連携がとれていないのは残念です。

連携が進まない大きな理由の一つに箱根は別格だという箱根の観光業者の姿勢があると思います。着いてくるならご自由にという感じです。

プライドを持つのは大いに結構ですが行きすぎると墓穴を掘ることとなります。箱根といえども箱根でだけでは成り立たない危機が迫っています。

日本創生会議が発表した2040年に消滅の危険性がある市町村として神奈川県で一番にランクされたのは箱根町です。

2010年段階で1661人いる箱根町の若年女性人口が2040年には472人となって減少率が71.6パーセントです。

世界の箱根として観光立国の中核を担うと期待されている箱根町は急速な少子化の進行で町が成立しない恐れがあるということです。

箱根町は、プライドが高く現状の豊かな財政もあってこの危機を直視する姿勢を示すのは面白くないかもしれません。

しかし、神奈川県西部としては箱根の活力な将来展望を構想する上で無くてはならない存在です。県西部全体で受け止め論議する必要あります。

このままで行くと箱根町は観光都市としては継続できても住む人がいなくなるということです。東京都心の千代田区みたいになるのでしょうか。

個人旅館は交通が便利な地域を除いて継続できないでしょう。住む人の激減で学校を始め教育や生活関連施設を維持できないからです。

小田原市に移り住んで箱根に通うという形態で行くしかありません。こういった町のあり様が果たして成り立つのでしょうか。

ホッとするような生活感は住む人がいて醸し出されます。生活者がいなくなればどうしても人工都市的な様相となって行きます。

世界的観光地、箱根の消滅可能性は、神奈川県西部地域の人口減少の問題を考える上で格好なテストケースとなります。

世界の箱根の消滅の危険性にどう対応するかは、県西地域全体で考える重要課題です。箱根抜きに県西地域の国際観光振興はあり得ません。

箱根町の人口減少を無理矢理食い止めることは不可能です。近隣する市町と連携していかにソフトランディングするかです。

働く場は箱根、生活は小田原を始めとする周辺市町というライフスタイルが強まる中で世界の観光地箱根をどう継続していくかです。

箱根も過去の栄光にすがっていてはいつかは衰退します。県西地域の中の箱根という意識を持って欲しいと切望します。