とても小さな極上のコンサート
昨晩、瀬戸屋敷の土蔵で中央アジアに位置するアルタイ共和国からやってきた男性と女性の歌手のコンサートがありました。
開場は夕方6時。平日で早い時間帯のコンサートですので観客は15人ほど。外から秋の虫の声がリンリン聞こえてきました。
プロデューサーは、世界で活躍しているロックバンドのヒカシューのリーダーの巻上公一さんです。高校の同級生でもあります。
酒匂川の河川敷であしがら花火大会に合わせて8月に開かれたあしがら未来音楽フェスティバルのメインゲストも務めてくれました。
巻上さんは、日本であまり知られていない世界の実力のある音楽家との交流を積極的に進めています。アルタイ共和国の歌手もそうです。
女性のタンダライさんの歌声は余りにすごくてただひたすら聞き惚れるしかありませんでした。身動きができない感じでした。
女性なのにアルタイ独特の発声法でまるで地の底から響いてくるような太い低音での歌声に誰の声だとあたりを見回してしまいます。
続いて天使の声に違いないと思うような響き渡る高音に打ちのめされます。鳥の声を真似て歌いますが天空から聞こえてくるようでした。
男性歌手のボロット・バイルシェフさんの歌声は独特なリズムに乗せて中央アジアの平原を馬で疾駆するような響きです。
ツンドラという曲はすごかったです。英雄が凍てつく大地を吹き抜ける風にいささかもたじろぐことなく駆け抜けていました。
ヒカシューのドラマーが友情出演していました。打楽器の音が独特のリズムを際立たせていました。聞きながら馬に乗っている感じです。
瀬戸屋敷でのアルタイのコンサートは、昨年に続いて二回目です。もっと多くに人に聞いてもらいたいです。世界は広いことを実感します。
テレビなどを通じて宣伝力のあるJポップや欧米の音楽が席巻します。しかし世界には、まだまだ底知れぬ実力を持った音楽家がいます。
アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどにいると思います。世界が欧米中心の時代から新興国の時代へと移ってきた今が発掘のチャンスです。
新興国は、かつては繁栄を極めた歴史ある国であることが多いです。アルタイ共和国もシルクロードの時代には中心国の一つでした。
欧米中心の時代になってそうした国々の歴史や文化はベールに包まれ記憶の彼方に消えてしまいました。復活の時がやってきました。