小規模農業の継続は難問中の難問です。
昨日、あしがら平野一円塾の勉強会がありました。台風一過で青空が広がりました。夏を思い出すような気温でした。
小規模な農業が厳しい時代を迎えています。二宮尊徳先生が生きていれば、どんな手を打つのであろうかと思いを巡らせます。
農作業は大変です。それでいて収入は少ないのですから農家のなり手がいません。若い人にとって魅力のある農業とは程遠いのが実情です。
秋田県大潟村は、八郎潟を干拓し大規模農業で成功を収めました。若い女性の増加率が高く秋田県で唯一消滅可能性自治体に入っていません。
農業を産業として活かすにはある程度の規模と設備投資が必要です。それに日本の技術を組み併せれば勝負ができることの証です。
しかし、足柄地域で同様の挑戦はできません。面積が足りません。しかし、消費地が近いので付加価値を上げればと考えました。
開成町では、かつて特産だった里芋の復活を目指しています。最初に栽培した方の名前を取って「弥一芋」と値付けられています。
メンバーの一人が栽培しています。芋畑や芋洗いの様子を見せてもらいました。親芋から小芋、孫芋を取るのは手作業です。手間暇かかります。
ご主人は、定年退職の後、農業に本格的に取り組みましたが奥さんの手助けがなければ成り立ちません。奥さん作業で手を痛めたということでした。
スーパーなど販路は確立してます。作れば作るほど売れます。お米の数倍の収入を得られるということですが作り手が不足しています。
南足柄市内山の丘陵地帯で「香緑(こうりょく)」という香川県で開発されたキウイを栽培している農家を訪問しました。メンバーです。
キウイは中腰で作業をしなくてはなりません。見せてもらっているだけでしんどくなります。キウイの実に袋がかかっていました。大変な作業です。
この品種のキウイは他のキウイより大きくて甘いのが特徴です。市場価格も高いです。最高級品ですと一つ3500円もします。
ただし作るのは容易ではありません。ここでも奥さんが上を向いて作業を続けなくてはならないので首と肩を痛めてしまったということでした。
作れば確実に高価格で売れます。でも重労働のために作り手が現れません。後継者がいなくては栽培は途絶えてしまいます。
里芋の弥一芋もキウイの香緑も立派なブランド商品になります。しかし、作る人がいなくては売り出したくても売り出せません。
息の長い話になりますが、農業関係の高校や大学とタイアップして参入者を増やして行くことが地道な取り組みとして必要です。
機械化がもう少し進みませんとなり手は増えないです。労働が大変過ぎます。こちらも農業関係の高校、大学との共同開発が求められます。
定年後の帰農で兼業、そこそこの収入を得ようとする人に意欲が湧くような作業環境にしないと足柄地域ではなり手は増えません。
前途は険しいように見えます。しかし、手を拱いていますと荒地は増えるばかりです。試行錯誤で難問解決を目指すしかありません。