「政府は尖閣国有化を撤回して日中関係の打開を図れ。」(野中広務 元官房長官)

昨日、横浜駅西口のかながわ県民センターホールで「神奈川から東アジアの平和を拓く!」をテーマにパネルディスカッションを開催しました。

260人の会場で180人の参加者でした。満席にしたいと思っていたのですがちょっと残念です。しかし、内容は充実してました。

野中広務さんの迫力は健在でした。中国、韓国、北朝鮮と今のような関係のままの日本を若い世代に残してはならないと執念を燃やしてました。

魂がほとばしるような野中さんの言葉に参加者は聞き入っていました。野中さんは尖閣問題の打開は国有化の展開にあると主張しました。

日本側から動く必要があり、民間基金を集めて尖閣を購入し直し平和のシンボルの島として再出発したらどうかと提案していました。

野中さんは間もなく89歳です。戦争の悲惨さを戦争を知らない世代に伝え平和国家日本を創ってもらうという使命感がひしひしと伝わりました。

元防衛庁官房長の柳沢協二さんは「血を流す」などという感情的な言説に基づいて安全保障が語られる現状に強い危機感を示していました。

若い自衛隊員の生命がかかっている問題です。あくまでも冷静に合理的に判断するのが筋であると強調していました。

アメリカは尖閣問題に巻き込まないでほしいというのが本音で、岩だらけの島はそもそも軍事的な価値は持っていないと話していました。

中国人の国際政治学者の朱建栄さんは中国が尖閣を強引に奪い取るリスクを犯すということはあり得ないと断言していました。

アメリカの包囲網を極端に強め、経済的にも水を差すような行為であって、自らの首を絞めるようなことはないと話していました。

中国は、2020年で先進国の入り口という段階で、経済と社会建設に力を注ぐ必要があり、軍事的覇権国路線は取らないと解説していました。

朱さんの見解に対し柳沢さんは南シナ海での中国の振舞を見ていると国際的な常識を逸脱している部分があると指摘していました。

沖縄出身で近代政治史が専攻の我部政男さんは、沖縄は差別され裏切られ続けているという県民感情が底流にあると話していました。

戦後、日本への復帰運動が起こった背景は、平和憲法の日本に復帰すれば基地問題を一緒に解決してくれるという思いがあったと言われました。

しかし、その思いは完全に裏切られました。沖縄独立論やオール沖縄というスローガンが出てくるのは、本土への抵抗意識があるということです。

沖縄を平和の島にするため中国の留学生を受け入れる拠点施設を作って若い人材交流で緊張緩和を進めたらどうかと提案していました。

2時間半があっという間に過ぎました。参加者も真剣に耳を傾けていました。白熱の議論を整理して次につなげていきたいです。

神奈川も在日アメリカ軍基地を抱える基地県です。中国との関係を少しでも良くして緊張緩和の行動を取ることは意義あることだと思いました。

私が取り組んでいる歴史と文化で中国との共通性を見出して平和へとつなげていきたいという行動も大切だと改めて思いました。