ふるさと創生から地方創生へ
1987年11月竹下登政権が誕生しました。竹下内閣の看板の一つがふるさと創生でした。自治大臣に就任した梶山静六さんが打ち上げました。
3300ある全国の市町村に1億円を配り各市町村で知恵を絞って使ってもらおうというものでした。あっと驚く中身でした。
金額が大きかったです。竹下さんは最初もっとずっと小さな金額を考えていましたが梶山さんがインパクトがないと言って1億円にしました。
金塊を購入する自治体があったり色々と話題を振りまきました。日本の景気が絶頂期に誕生した政権だからできた政策だとも言えます。
それから四半世紀が経って安倍政権は、地方創生を内閣の重点政策としています。「ふるさと」から「地方」と名称が変わりました。
担当大臣は石破茂さんです。安倍総理の次の総理総裁を狙っている人物です。梶山大臣ばりの知恵を出すことができるかどうかです。
ジャパンアズナンバーワンと言われた1980年代とは全く日本経済の様相が異なります。明らかに弱体化しました。
3・11で原子力というエネルギー政策の基本が崩れました。石油、天然ガスの輸入で日本の貿易収支は大きく減少しました。
東京を中心とする大都市部と地方都市との経済格差は著しくなり、地方自治体の半数近くは、このままの状態では消滅とまで言われてます。
このような困難な状況を打開するために掲げた政策が地方創生です。単に名称が変わっただけでなく政策の持つ重みも変化しました。
1兆円規模の予算を用意すると伝えられています。単純計算ですと一市町村6億円です。ふるさと創生の6倍です。
しかし、名目上の金額が増えたからと言って地方創生はできません。生きたカネとして使いこなせるだけのアイデアがあるかです。
中身がないのにただ単におカネだけを配ればバラマキです。あくまでも内容、そして地方側に本気でやる意思がなければなりません。
更に一自治体だけの効果にとどまっては非効率です。都道府県や市町村の枠を超えて広域的な効果が期待も求められます。
安倍総理はバラマキはしないと言明しています。おカネの配分をどのようにして決めるのでしょうか。各都道府県の役割は重要です。
神奈川県の黒岩知事は今年5月県西部地域の活性化策を公開の場で市町にプレゼンテーションしてもらい配分先を決定しました。
一つのアイデアです。面白いと思います。今度は単に地域活性化ではなく人口減少時代の中での地方創生です。判定者の選定が大切です。
物見遊山的な観光振興やバラマキ的な子育て支援策はダメです。雇用や産業振興につながるようなアイデアが競われなくてはなりません。
公開プレゼンコンペ、期待します。民間団体の参加も是非認めて欲しいです。市町村とタイアップでも良いです。
我々は一般社団法人酒匂川流域自然エネルギー研究開発協議会をつくって一年近く議論を重ねてきました。アイデアはあります。
例えば開成町の歴史ある酒蔵の復活を核に足柄地域全体の活性化を導くプランを提示できます。待ち遠しいです。