年内解散・総選挙は、安倍大政翼賛体制への布石

大量のおカネを市場に投入して株価を上げ、円安に持ち込んでも消費税率アップの悪影響を断ち切れそうにないと見切ったようです。

来週明けに出されるGDP国内総生産の速報値は厳しい数字であることを織り込み済みだと新聞報道に出ています。

総理官邸にはいち早く情報が集まりますので相当前から対応策が練られていたはずです。導き出した結論は解散総選挙ということのようです。

余りに騒々しくなりましたので安倍総理は解散について言及したことはないと火消し発言をしましたがここまでくると間違いないです。

アベノミクスで消費増税可能な環境を作ることが安倍政権の大きな眼目の一つでした。しかし失敗であったということが明白になりました。

消費税を10パーセントにすることを先送りしたからと言って免罪符にはなりません。先送りしても今日の事態を招いたのは安倍総理です。

しかし、解散・総選挙となると大騒動になって責任論は吹っ飛びます。安倍総理にとっては願ったり叶ったりの環境を仕立てられます。

民主党は受けて立つなどと言っていますが全く説得力ありません。自民公明民主の三党合意で消費税増税に合意した責任があります。

政府で、消費税10パーセントの是非についてヒアリングをしています。民主党の支持母体の連合の古賀会長は引き上げを主張していました。

労働組合というと庶民の味方みたいなイメージがありますがそんな夢は現代には通用しないということをまざまざと見せつける一幕でした。

安倍自民党体制の一極時代です。民主も含めて野党には、力がありません。安倍政権に対する距離感も基本政策もてんでバラバラです。

共産党だけが、安倍政権に対するスタンスも一貫していますし、全選挙区に候補者を立ててきた実績もあります。

有権者の共産党に対するイデオロギー的嫌悪感が薄まるようならば安倍政権に対する不満の受け皿になる可能性が残っています。

総選挙になれば勝負は明らかです。国民の審判を仰いだということで安倍政権を中心とする大政翼賛体制は一層強化されると思います。

みそぎを済ませた安倍政権は地方創生を前面に掲げて統一地方選挙になだれ込むでしょう。ここでも勝利を収める可能性は高いです。

統一地方選挙が終われば宿願の集団的自衛権の行使容認関連の法案の成立を目指すことになります。9月には自民党総裁選挙で再選されます。

安倍大政翼賛体制は強化されます。ここから安倍総理の持論の国家主義的体質がより一層露わになると思います。

中国との関係の先行きが非常に心配です。先日のAPECで習近平主席との首脳会談は実現しました。両首脳の表情はこわばってました。

特に習近平主席の固かったです。ホスト国の大将のにこやかさは微塵もありませんでした。日本に対する中国世論が投影されていました。

APECの席上で安倍総理の次に韓国の朴槿恵大統領が登場し習近平主席が出迎えた時の表情とのコントラストは余りに対照的でした。

東アジアの安定への道のりは相当に厳しいと思わざるを得ませんでした。外交は中国関係が何より懸案です。憂慮しています。