永田町は、選挙に向けて完全に走り出してました。

昨日は神奈川大学の講義の日です。政策過程論では住民投票について地域政治論では福島と北海道について講義しました。

住民投票は、権力者が実施する場合は、民主主義の原則を守るというよりは勝てるから行うという側面が強いです。

橋下市長が大阪都構想で住民投票で決めることを主張しているのはオール野党状況に議会を突破する手段として考えています。

一方、住民側から発議される場合は、勝ち負けというよりは抵抗の手段として考えられます。原発の住民投票が典型です。

民意を表明する機会を得ることにより推進側の意向を阻止しようとします。原発は迷惑施設の一つですので推進側が住民投票を求めません。

福島の放射能汚染の現状について現場から発信を続けている「医療ガバナンス学会」の医師からの報告を紹介しました。

南相馬市におけるセシウムを指標とする調査です。昨年の4月から今年の1月まで検査を受けられた6981人の結果です。

中学生以下の99.9パーセント、高校生以上の98.5パーセントが検出限界以下に抑えらえているということです。

講義で、日本の地域政治を沖縄、福島と見てきました。続いてのテーマは北海道です。夕張を対象に取り上げました。

北海道は、秋田県と並んで人口が減る割合が全国で一番のランクです。2040年段階で2010年に比較して76パーセントです。

同時に札幌一極集中も進みます。2040年には40パーセント以上が札幌圏に集中します。逆に言えば札幌以外の地域は疲弊が急速に進みます。

当然のごとく財政は一段と厳しくなります。こうした困難な状況をいち早く示しているのがかつての炭鉱都市夕張です。

最盛期11万人の人口は現在1万人を切りました。バブル期に行った無理な観光開発で市の財政は破綻しました。

こんな状態なのに東京都庁の若い市長が夕張市長に立候補し当選しました。何を目指して挑戦したのか次回の講義から考えていきます。

神大での講義が終わった後、懇談会の予定があり東京に出かけました。政治家の方とも意見交換する機会がありました。

野党の大物の方ですが完全に選挙モードでした。一般の人にとっては、降って湧いてきたような話ですが流れは加速する一方です。

選挙をする大義はというと、自らの消費税増税による経済失政を背後に隠し選挙に勝てそうだからという以外には見当たりません。

消費税増税を先送りすると宣言することで増税を回避する正義の味方に反転します。なかなかの策略だと言わざるを得ません。

選挙戦でよほど野党が増税の失政をクローズアップしない限り増税回避の決断をアピールする政権側の勢いに負けてしまいます。

安倍政権にとってのすねに傷は国会の議員定数削減などの行革に目をつぶっていることです。増税と引き換えの約束をほごにしています。

これは野党が口をそろえて追及できる争点です。メディアがこの問題をどれだけ扱うかということと有権者の判断にかかっています。

NHKから私に問い合わせがありました。選挙に出馬する考えはあるかどうかということでした。全く考えていませんと回答しました。

私は、大学での研究活動や講義と酒蔵の復活など社会貢献事業への挑戦、この二つに全力を挙げる考えです。