どんぐり講座in相模女子大

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生まれて初めて女子大で講義しました。相模女子大大学院教授で栄養学を教えている野田艶子さんからのお誘いでした。

野田先生はどんぐりにすっかりはまっています。栄養価は高く日本中至るところにあって未来の食糧源だと食品開発に張り切っていられます。

どんぐり源さんと一緒にどんぐりの講座を開きましょうということになりました。昨日10時から2時間3人で講義をして来ました。

聞き手は野田先生のゼミ生、15人ほどでした。黒のスーツに白いシャツ、背筋をきちんと伸ばして姿勢も良かったです。

恐らく野田先生が普段厳しいからだと思います。聴く姿勢がきちんとしている学生に向かって話をするのはこちらも引き締まります。

トップバッターは、どんぐり源さんで、なぜどんぐりに取り組んだか、どんぐりの素晴らしさは何かなどを話していました。

ネオジョーモニズムなんて言う難しい言葉も飛び出しました。新しい縄文主義という意味です。縄文の心を蘇らせたいと語ってました。

縄文の心とは平和な心です。縄文時代の主食どんぐりを食べてその心を取り戻そうという呼びかけでした。争いの絶えない現代こそ必要です。

私は、どんぐりそのものとは直接関係なく町長としての体験から町の原点とも言える瀬戸屋敷の復活の物語を話しました。

江戸時代から田園の地域です。その田園地域が1707年の富士山の宝永大噴火により砂に埋まり存続の危機を迎えました。

開成町最古の古民家瀬戸屋敷はその困難を知っています。町が一番苦しかった時代の建物を再生させて原点を忘れないようにしたと話しました。

源さんが提唱している縄文の心を取り戻すことは日本の原点を呼び覚ますことです。町の原点の瀬戸屋敷でどんぐり講座を開いていると述べました。

野田先生は、食材のマテバシイの栄養価が優れていること、最近パンを食品開発したこと、メディアで取り上げられていると話されました。

日本経済新聞、神奈川新聞で大きく取り上げられたということです。源さんは、18日の午前11時のNHKの番組に登場するということでした。

講義の後の質疑応答で大学院に進学予定の女子学生から私に質問がありました。町づくりについてでした。びっくりしました。

町づくりの現場では必ずしも地域活性化を望んでなく、よそ者が色々なことを言うことに反発があるのではないかという質問でした。

現在、地方創生が国挙げての大きな課題となっています。質問は、地方創生を進める上で大切な視点です。良い質問でした。

地域の実情を無視して外部から地域開発を進めるような事業に対して反発が生じるのは当たり前です。聞く耳を持たなくなります。

しかし、外部の声を聴かずに内に閉じこもったままでは活力は生まれません。地域の人が張り巡らす壁を融かすような提案が不可欠です。

開発一辺倒ではなく分かち合いを大切にする新しい経済の仕組みを提案したら地域の皆さんも心を開いて耳を傾けてくれます。

どんぐりを通じた食品開発など新しい経済を創り出す提案はその一つです。若い女性の感性で地域に飛び出して欲しいとエールを送りました。

時間はあっという間に過ぎて正午を回っていました。楽しい時間でした。聴く側の学生の真剣な眼差しが心地よかったです。