沖縄知事選挙、翁長氏圧勝、政府は、対話路線へと舵を切るべき。
(画像は、在日米軍普天間基地 ウィキペディアより)
在日米軍普天間基地の名護市辺野古への移設が争点となった沖縄県知事選挙の結果が出ました。移設反対の翁長雄志前那覇市長が圧勝しました。
4人が立候補し現職の仲井眞知事に10万の大差をつけた上、残りの2人の候補の得票数を合わせてもなお3万引き離すという結果でした。
自民党沖縄県連の幹事長も歴任し保守政界のプリンスだった氏素性に加えて県都那覇市の長を4期務めた実績が県民の支持を得る背景となりました。
昨年の1月、東京日比谷公園で開催された集会で翁長さんのあいさつを聞いたことがあります。「後戻りしない。」と高らかに宣言されてました。
在日米軍基地問題に対し政府が推し進める国策を容認してきた保守政界の重鎮として、政府の路線との決別の決意を示したものです。
その決断は、沖縄をこれ以上痛めつけるなという内面から沸々と湧いてくる使命感に支えられてのものだと推測します。
翁長さんの乾坤一擲の決断が普天間基地の辺野古移設反対の県民世論を更に高め一本にまとめたと分析できます。
ここまで来ますと沖縄の民意が変わることはありません。困難を乗り越えての決断ですので揺らぐことはありません。
政府がこの選挙結果をどう受け止めてどのような姿勢を示すかだけが残された課題です。私は民意を無視することはできないと思います。
政府のメンツとか対米公約とか理屈を持ちだしても民意の前にあってはその理屈は通りません。日本は国民主権の憲法があるからです。
国土の1パーセントにもはるか満たない沖縄県に在日米軍基地の74パーセントが存在します。同じ県内に移設は酷です。
国策に反対することは道理に沿った判断です。しかも基地の存在が沖縄県経済に与える影響は縮小しています。
翁長氏は、基地の返還に伴って民間投資が誘発され自治体の税収増にもつながっていることをデータに基づいて主張していました。
基地建設に伴って地元自治体にもたらされる交付金や地代収入といった目先の利益で政策誘導する手法は説得力を持たなくなりました。
政府の出方が関心事です。簡単に方針撤回とは行かないでしょう。しかし、移設を強行しようとすれば由々しき事態になりかねません。
民主主義の憲法を持つ日本で国策遂行のために官憲と移設反対の住民が激突し流血をもたらすこともないとは言えません。
政府も翁長新知事も冷静さをきちんと保って打開の道筋を見つける姿勢が何より大切です。暴力はいけません。
対話の姿勢を双方ともに持って欲しいと切望します。特に政府は県知事選挙の結果を尊重することが問題解決の絶対条件です。
政府が、ここをないがしろにすると反対運動の激化を招きます。民意と国策とが激突ということになってしまいます。
極端な沖縄独立論が燃え上がることにもつながります。尖閣という領土問題を抱え政府と沖縄が分裂という事態は好ましくありません。
世界に誇る平和憲法を持つ国が国策をめぐって国内で激突などという事態を招いてはなりません。双方の対話から全てが始まります。