【特集】KAITEKI実現のために

(三菱化学の企業スローガン「KAITEKI カイテキ」)

1970年に富士ゼロックスが放ったテレビコマーシャルのキャッチコピーに「モーレツからビューティフルへ」がありました。

日本政府がもはや戦後ではないと宣言した1956年から日本経済は急拡大を続けました。今となっては伝説の高度成長時代です。

しかし。70年に入りゆがみが出てきました。典型は、公害です。水俣病、イタイイタイ病、全国各地で深刻な公害が引き起こされました。

富士ゼロックスのキャッチコピーは時代の転換すべき方向を先取りして訴えました。美しい社会を創造しようというメッセージは鮮烈でした。

しかし、その後の日本の経済社会が歩んだ方向は、効率重視でした。トヨタ自動車がシンボルです。低価格で優れた車を売りまくりました。

トヨタが世界に発したメッセージは「カイゼン」でした。作業工程の効率化を目指した改良の連続で効率性を極致まで高めるイメージです。

「カイゼン」は日本企業の強さを表現するシンボルとなり「KAIZEN]は、世界に通用する言葉となりました。

しかし、「カイゼン」自体を目標としてしまうと何にために「カイゼン」するのかという目的が見えなくなってしまいます。

こうした日本の経済社会の弱点を突破しようというスローガンを発見しました。「カイテキ」です。三菱化学グループが提唱しています。

企業内部の目標である「カイゼン」を進化させて外部の社会づくりにコミットしていくというイメージがとても新鮮でした。

地球環境は悪化し現代社会は地球と人類の存続自体の危機に直面しています。この危機に企業として英知を結集しようという意思が現れています。

「カイゼン」は、企業戦士のため息も同時に聞こえてきそうです。「カイテキ」にはそんなイメージはありません。明るさが伝わってきます。

「カイテキ」という言葉が「KAITEKI」へとなって日本の企業経営のあり様を一言で示すと言われる時代の到来が待ち遠しいです。

三菱化学が新たに産業化しようと力を注いでいるのが植物工場です。完全に密閉したシステムで野菜を作る取り組みを始めています。

小田原市成田にある工場では実証実験施設があり、ノーベル賞受賞で脚光を浴びているLEDを使ったシステムで実証実験を積み重ねています。

昨日、施設をみせてもらいました。ベビーリーフという小型の葉物の野菜を栽培していました。ラックにプランターが乗り自動制御されてました。

もうすでに兵庫県尼崎市の阪神電鉄の高架下、金沢市の企業内、都内のビル内で三菱化学のシステムの植物工場が稼働しています。

ロシアやアラブ首長国連邦、シンガポールでも生産が始まっています。小田原で開発された技術がここまで進展しているのは驚きでした。

行く行くは野菜から薬草へと展開していき健康に役立つ「カイテキ」産業として育てて行くことを目指したいということでした。

我々一般社団法人が富士フイルムと連携して足柄の地域産業として定着させたいと考えている方向と全く一致していました。

足柄地域の地域を代表する二つの大企業同士が連携していける可能性があると思いました。「カイテキ」地場産業の創造です。