大転換序の口の総選挙スタート

衆議院選挙が始まりました。2年前は、私は立候補者の一人でした。野田総理が開き直って解散に踏み切りドタバタの選挙戦でした。

結果は、4万4千票で4着でした。民主党が一番不利な状況の中で解散は踏み止まるのではないかという見方からして間違いでした。

今回、安倍総理は、自らの権力保持のため一番有利と判断したタイミングで解散を仕掛けました。こちらは判り易いです。

絶対負けるのにやるのと勝ちそうだからやるのとどちらが普通かと言えば後者の安倍総理の判断です。文句をつけるのは筋違いです。

野田前総理は、消費税増税や定数是正をめぐる公党の約束を踏みにじった解散だと激怒していると伝えられています。

それを許したのは野党の責任もあります。定数是正に本気に取り組んだのかどうか怪しいものです。いささかご都合主義の反論に見えます。

今回の選挙、全ての党の政策を見渡して過渡期の選挙だという印象が強いです。きちんとした政策の仕切りはなされていません。

与党を支持するのかそれとも野党を支持して与党の勝手な振る舞いは許さない状況を作ろうとするかの選択に過ぎないと思います。

しかし、大きな政策の方向性の違いは徐々に見えてきています。いずれ大きな再編のうねりが起こり決定的な選択の時期が訪れると思います。

強いものをより強くしてそのおこぼれが弱い方に回る社会づくりを進めるのか、それとも弱い側を助力して自立を促す社会づくりをするのかです。

しずくが垂れるように社会の隅々まで恩恵をもたらすという意味でトリクルダウン型の社会づくりがひとつの方向性です。

もう一つは、泉のように民の側から湧き出るように自立した社会づくりを進める方向です。ファウンテン(泉)型の社会づくりです。

自民党がトリクルダウンで民主がファウンテンかというとそう単純ではありません。まだまだ政策は錯綜しています。

トリクルダウン政策の典型は東京一極集中です。この是正は自民党が一番強く打ち出しています。地方創生政策は安倍政権の看板です。

ファウンテン政策の最もわかりやすい事例はかつての鳩山政権の「新しい公共」の創造です。NPOなどへの支援です。最近影が薄いです。

各政党とも政策を立案する上で基本とする政治哲学がまだ明確に自分のものとされておらず政策が国のかたちレベルまで至っていません。

トリクルダウン型社会を目指すのならばもっと徹底して国家主導で統治構造を改革して新しい国のかたちを打ち出せば判り易いです。

国家主導型の道州制政策などが典型です。自民党もそこまで踏み切るには機が熟していないという判断なのでしょう。

ファウンテン型の社会を理想とするのならば税制も含めた徹底したNPO支援の制度設計を全面に出せば良いと思います。

統治構造で言えば自治州の創設です。沖縄や北海道を自治州として格段の自由度を付与することを掲げれば良いと思います。

基本政治哲学と統治構造、いわゆる国のかたちをセットで捉えて国民に信を問う時代がやがて到来すると思います。真の政権選択となります。