日中韓の関係改善を夢見て

昨日、公表された内閣府の外交に関する世論調査は、中韓両国に親しみを感じない人の割合が過去最悪の結果でした。

中国に対して親しみを感じない、どちらかといえば感じない人は、83.1パーセント、韓国に対しては、66.4パーセントでした。

中国に対しては、2.4ポイント、韓国に対しては、8.4ポイントの増加です。中国は高止まり、韓国は、急激に悪くなってます。

調査は、10月に実施され、11月の日中首脳会談が実施される前です。首脳会談の効果で互いの好印象につなげたいところです。

しかし、安倍総理と習近平国家主席の握手のぎこちなさは半端ではありませんでした。特に習近平主席の強張った表情は印象的でした。

これでは何のための首脳会談かという感慨を持ちました。首脳会談が日本人の中国に対する悪印象の改善には結びつきません。

習近平主席の演技を感じました。安倍総理の次に登場した韓国の朴槿恵大統領に対しては満面の笑みで出迎えたからです。

策を弄しすぎだと思いました。中国は、APEC=アジア・太平洋首脳会議ののホスト国です。出迎える国のトップの振舞とは思いません。

悠然とした表情で安倍総理をにこやかに迎えたとしたら、やはり只者ではないという印象を日本国民に与えたと思います。

昨年暮れの安倍総理の靖国参拝などで中国国内の日本への反発が根強い中で懐の深さを示したとすればこれぞ大人(たいじん)です。

対韓国感情の悪化も気になります。ヘイトスピーチが日本の朝鮮学校の生徒へ浴びせられる事態が起こっています。

慰安婦問題や領土問題で溝があることは判っています。なぜお互いそこまでヒートアップするのか私にはよく理解できません。

何かにつけて日本を攻撃対象とするような韓国の風潮も考え直してもらいたいです。産経新聞の前ソウル支局長の起訴は典型事例だと思います。

司法の世界は一番冷静な判断が求められます。サンケイ新聞の記事は品は感じません。しかし、言論の自由を超えているとは思いません。

朴槿恵大統領大統領がサンケイ新聞の記事について柔らかな対処したとしたら日韓の国民感情を好転させるきっかけになったと思います。

鉄の女性宰相イギリスのサッチャー首相ならどんな反応をしたか見てみたいです。優雅に受け流して諭したかもしれません。

「私を女性だと見てくれてありがとう。でも私は鉄の鎧を身に付けています。男性をはね付けてしまうのです。ご注意下さいね。」

こんなユーモアあふれる言葉を発したかもしれません。激怒しそうになった時こそ心の余裕を保つようにするのが偉大なトップです。

安倍総理の国家主義的姿勢に私は違和感を持っています。しかし、日本側の対応のまずさだけが日中、日韓関係の悪さの原因ではありません。

東アジアの安定について本気で取り組もうとするのならば感情論を超えて互いを信頼していることを示して行く言動が大切です。

対立が深まるかと緊張が高まった時のトップの一挙手一投足はとても大切です。妙な駆け引きや感情論を乗り越えることが肝要だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

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