二宮金次郎先生の実像を求めて

二宮金次郎

27日の午後あたりからお腹が痛くなり出して28日一杯調子が全く出ませんでした。昨日ようやく体調が戻りました。

おなかの風邪が流行っているようです。我が家の感染ルートは明快です。最初に孫君がお腹をこわしてもどしたりしました。

孫君が直るとママに、ママからパパに、そして孫君一家が我が家に来るとばーばに、更にじーじ、そしてひいばーばということになりました。

ひいてしまったもの仕方ありません。この際、身体を休めようと割り切って28日は、一日中横になっていました。

29日は、早起きの習慣も止めにして朝寝坊をしたらすっきりしてきました。人間調子が出ない時は眠るが一番です。

午後思わぬ来客がありました。二宮金次郎先生の総本家の当主二宮康裕さんが我が家を訪ねて来られました。

二宮康裕さんは江戸期の日本思想史の研究者でもあります。もちろん研究対象は、祖先にあたる二宮金次郎先生です。

数々の著作があります。最新刊は1年前に創元社から出されたそのものずばり『二宮金次郎』です。偶然開成町の図書室から借りていました。

ブログでも書きましたが年末年始は二宮金次郎先生の業績を学ぼうと思い立ち著書や資料を集めていました。その中の一冊です。

偶然の一致とは思えませんでした。天に意思が通じて配慮していただいと思わざるを得ませんでした。心して二宮康裕さんをお迎えしました。

お話しは、二宮金次郎先生へのイメージが明治時代以降国家にとって都合の良い方向に変えられてしまっている現状を何とかしたいということでした。

二宮金次郎先生の言動は、36巻に及ぶ全集に収められています。46000ページに及びます。研究者であっても難攻不落です。

直接原典に当たることなく弟子たちが書いた伝記に基づいて作られた二宮金次郎イメージが流布してしまったということでした。

弟子たちも明治政府の意向を意識しながら記述したと思われるところが多く二宮金次郎先生の実像とかけ離れたと言われてました。

こうした現状を何とか変えて真実の二宮金次郎先生を知ってもらうための団体を組織したいという相談でした。

イメージが異なって流布されている原因の一つは、二宮金次郎先生の少年時代の薪を背負って本を読んでいる像です。

少年時代は確かに刻苦勉励、一生懸命に努力する少年でした。しかし、大人になっての金次郎先生は、単純なイメージでは捉えきれません。

巨万の富を稼ぎ出す天才的相場師でもあり、その富を全て投げ打って今で言う地域再生のための基金に充当しました。

民の生活を豊かにするという民豊論が基本となる考え方で一貫していたということでした。流布されているイメージとは異なります。

経済格差が拡大している現代社会において二宮金次郎先生の実像を学ぶことは格差社会を是正する手法を考えることに直結すると言われてました。

私も全く同感です。グローバル経済が引き起こす負の側面を是正する手段を考えるため二宮金次郎先生を学ばなければと思っていました。

またまた来年の大仕事が増えました。総本家の当主からの直々の要請です。断れません。できる限りの協力をお約束しひとまず別れました。