天皇陛下とともに歩む戦後70周年
宮内庁から発表された天皇陛下の新年のお言葉に感動しました。3・11の被災者へのいたわりと平和への祈りの心に満ちていました。
「昨年は大雪や大雨,さらに御嶽山の噴火による災害で多くの人命が失われ,家族や住む家をなくした人々の気持ちを察しています。
また,東日本大震災からは4度目の冬になり,放射能汚染により,かつて住んだ土地に戻れずにいる人々や仮設住宅で厳しい冬を過ごす人々もいまだ多いことも案じられます。昨今の状況を思う時,それぞれの地域で人々が防災に関心を寄せ,地域を守っていくことが,いかに重要かということを感じています。
本年は終戦から70年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々,広島,長崎の原爆,東京を始めとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に,満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び,今後の日本のあり方を考えていくことが,今,極めて大切なことだと思っています。
この1年が,我が国の人々,そして世界の人々にとり,幸せな年となることを心より祈ります。」
以上が全文です。どのような感想を持たれたでしょうか。私はこのようなコメントを発することのできる皇室を日本人として誇りに思いました。
天皇陛下は自らの安寧ではなく国民の幸せを祈り、ままならない現状に心を痛めていられます。気高い姿勢に胸を打たれます。
私が特に着目させていただいたのは、戦後70周年を迎えるにあたっての天皇陛下の歴史への認識についてです。
「満州事変に始まる戦争の歴史を十分に学び、今後の日本の在り方を考えていくことが大切だ。」と述べられています。
1931年の満州事変が中国との戦争の直接の引き金になったとの認識です。1937年の盧溝橋事件ではありませんでした。
日本は、満州事変の後、傀儡国家である満州国を建国し中国大陸への橋頭保を築き、大陸全体を支配下に治めようと中国との全面戦争へと進みました。
そしてアメリカとの戦争に突入し惨たんたる敗戦を喫しました。天皇陛下はこの歴史を学び今後の進路を考えるのが大切だと言われています。
天皇陛下は、再び戦争の惨禍を招くことの無いように中国大陸で日本が行った歴史を見つめ直して欲しいと国民に求めている訳です。
国民の政府のトップである安倍総理大臣が、天皇陛下のお言葉を一番に受け止めないとならないことは言うまでもありません。
日本は過去重大な選択ミスを犯し戦争へとはまり込みました。二度と戦争はしないという決意のもとに日本国家は再出発しました。
戦争はしないという原点を忘れることがあってはなりません。その戦争は満州事変に端を発しているという歴史も忘れてはなりません。
日本が不戦の姿勢を堅持することはどの国に対しても力強い平和国家日本のメッセージになると私は確信します。
戦後70周年の今年、天皇陛下の年頭のお言葉を胸に刻みながら自分ができる平和への取り組みを企画し実行していきたいと思います。