報徳ゼミナール

二宮尊徳翁の思想と業績を展示している小田原の報徳博物館は、8月を除いて毎月1回、第2日曜日にゼミナールを開催しています。

第510回目の集まりが昨日午後ありました。京都市役所に勤務する友人と2人で参加しました。10人ほどの参加者でした。

東京など遠方の方、平塚、南足柄、松田など近隣の方々です。90歳を筆頭に80代の方もいられました。皆さんかくしゃくとされてました。

二宮尊徳翁の業績を学ぼうという強い知的好奇心があり常に外に出て勉強されていることが秘訣だと思いました。

新年最初の報徳ゼミナールは、各人がそれぞれ報徳に対する思いを述べて新年の抱負を語ることが慣例となっています。

大先輩の皆さんが勉強の成果や取り組みを述べられていました。話される内容のレベルの高さに驚ろかされます。

中江藤樹とか石田梅岩などの名前がぽんぽんと飛び出して日本の思想史を彩る偉人たちの基礎知識がないと戸惑う感じがしました。

私の番になりました。今年は二宮尊徳翁が江戸時代実際にどのような改革を目指そうとしていたのか実像を勉強したいと話しました。

二宮先生の思想は、現代のグローバルな資本主義のマイナス面を正す力を持っていて、もっと世界に発信できるとも述べました。

天道と人道は本来一つのものである、経済と道徳は一体である。二宮先生は、こうした思想哲学に基づいて改革を実践されました。

机上の人ではなく実際に改革を手掛けたところがすごいです。きちんとした思想と実践が伴うことは稀だと思います。

日本人は舶来の思想に飛びつき高く評価します。一方日本の足元から誕生した実践的思想哲学には目をそむけがちです。

日本人の欠点だと思います。こうした態度を改めない限り日本の各地域の伝統に根差した本当の改革はできないと思います。

二宮先生の思想哲学と実践による業績をもう一度見つめ直すことは日本の舶来信仰の現代改革を問う格好の事例だと思っています。

舶来の思想より二宮先生を学ぶことの大切さを訴えさせていただきました。今年から始まる私のライフワークになります。

一緒に来ていた京都市役所の友人が心にしみる話をしました。私より10歳以上年下40代の彼には障害を持った子供がいます。

彼は、自分がこの世から去っても障害を持った子供が安心して暮らせる社会を創りたいと思って色々と学んでいます。

報徳の勉強も報徳ゼミナールへの参加をきっかけにして勉強していきたいと抱負を述べていました。胸にジンと来ました。

障害を持っていても平和に豊かに暮らせる社会づくりこそが政治の本来の目的です。この原点を忘れてはなりません。

二宮先生のたどってきた道は政治の原点を忘れずに社会変革を追求し続けてきた人生だと思います。心底から尊敬します。

しかも身分による差別が強かった江戸時代にあって農民から身を起こして社会変革の実践者にまでなったその歩みは教訓そのものです。

新年早々から自分を奮い立たせる勉強会に参加で来て良かったです。今年一年できる限り報徳ゼミナールに参加することにします。

 

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