二宮尊徳先生流の読書術で『21世紀の資本』に挑戦
(トマ・ピケティ 『21世紀の資本』 みすず書房)
二宮尊徳先生とする二宮金次郎先生とするかとても悩ましいです。ご本人は、金次郎と書くことが圧倒的に多かったとのことです。
しかし、金次郎と書くとどうしても少年時代のイメージが追いかけてきます。薪を背負って本を読む銅像の姿です。
決めました。大人になって各地域の再生に丹精込めた時代の実像を知ることが大切ですので二宮尊徳先生という名で統一します。
今日は、二宮尊徳先生の考え方を活用した読書術について述べます。分厚い本を読んでしっかりと身に付けることができます。
二宮尊徳先生の教えの根幹は4つの言葉で表されます。「至誠、勤労、分度、推譲」です。行動哲学が簡潔に表現されています。
物事何をするにも思いから始まります。誠心誠意が大切です。続いて一生懸命取り組むことが続きます。そして分度です。
これが結構難しい考えです。欲望の赴くままにしないためのラインとでも表現したら判りやすいでしょうか。節度といったら良いでしょうか。
財政で言えば収入に見合った規律ある支出です。最後が推譲、ラインを超えた収入があり積み立てることができれば寄付を要請しています。
二宮先生は、もう一つ行動する上でのとても大切な指針を述べられています。「小を積んで大を為す。」、積小為大です。
大きなことをしようと思うならば小さく積み重ねて行く心がけが大切だということです。実践するにはこの発想に限ります。
さて以上4つプラス1つの二宮尊徳先生の教えが読書にどう役立つかです。まずは真剣に学ぼうという気持ちがなければ話になりません。
一生懸命、読み込むことも当然です。早く中身を知りたいと焦ってはいけません。十二分に理解できるところで止めることが大切です。
積小為大精神は、ここで活用できます。ページの先を先を急ぎたくなるのが人情です。それでは本当の理解は進みません。
ちょっとずつ歩を進めることの偉大さを知ることが大切です。1日10ページで1年3650ページです。とんでもない分量になります。
では推譲とは何かです。得た知識を教えることです。教えることで読んだ内容がしっかりと見に着きます。自分に返ってきます。
私がなぜこのようなブログを書いているのかというと例のあのベストセラーが図書室から手元にやってきたからです。
トマ・ピケティの『21世紀の資本』のことです。本文608ページ、注が98ページ。内容も歯ごたえ十分という評価です。
グローバルな金融中心の資本主義が持っている根本的病理を明らかにし、その欠陥を正す処方箋が提唱されていると言われます。
心して読み進めないとただ読むだけに終わってしまいそうです。はたと気付いたのが二宮孫藤先生の教えでした。
二宮精神と手法でこの大部に挑戦してみようと思った訳です。図書室から借りられる期間は最長で1か月です。
最低1日20ページです。このぐらいなら何とか難敵を攻略できそうです。しっかりと見に付けて大学の授業に活かしたいです。