民主党代表選挙
(民主党岡田新代表 ウィキペディアより)
民主党の新代表が岡田克也さんに決まりました。10年ぶりの再登板です。安倍総理大臣もそうですので再チャレンジ組が永田町の顔となりました。
民主党の代表選で一番注目していたのは細野豪志さんの得票でした。統一地方選挙も控えてイケメン志向になるのかどうか関心がありました。
結果は、細野さんが抜き出る構図にはなりませんでした。民主党の成長を見た思いがしました。大人の政党へと一歩踏み出しました。
ブーム、勢い、パフォーマンス、扇動、政治は、常に有権者の情動を喚起して中身ではなく勢いや見栄えで結果を得ようとします。
実直な岡田さんが代表になったことは、勢いだけで支持を得ようとする傾向に背を向けて地道に取り組む政党への方向が進むと期待します。
民主党代表選挙を通じて暮らしと経済の問題に対するスタンスが明確となりました。経済格差は日本の安定にとり問題だという考えで一致しました。
富めるものがより豊かになればそのおこぼれが弱者に及ぶという発想は間違いであるということです。大きな認識の一致です。
要は、分配の問題へのスタンスです。消費税の増税は弱者にとって打撃です。10パーセントへのアップに対する具体の姿勢が問われます。
消費税の再増税を避けるのならば、その不足分を埋めるために富めるものへの課税の強化にまで進めるのかどうかが焦点となります。
福祉や教育、地方自治体への施策の充実を打ち出すと、財政再建が危うくなります。そのバランスをどうとるのかも注目です。
この点では共産党が一番論旨明快です。余計な軍事費を削れと言い切っています。民主党は安全保障政策に絡めてここまで言えるかどうかです。
民主党は、安全保障政策で一致できるのか常に不安視されます。予算配分の中でどのような具体の打ち出しとなるのか不透明感は消えてません。
原発に対する姿勢も明確とは言えません。2030年代に原発稼働をゼロにするため最大限の努力をするという意味が曖昧です。
当面の原発再稼働を認めるのかどうかが判りません。新設はどうするのでしょうか。いずれも認めたら30年代にゼロと言えるのでしょうか。
民主党の支持基盤の中核は労働組合です。そのまた中核に電力会社があります。軍事に関わる企業の労組も存在します。
こうした労組の意向に民主党執行部は逆らえるのでしょうか。支持労組に対する立ち位置を明確にして始めて政策が明確になります。
民主党と労組の問題が行政改革に関わる姿勢でも同様の構造的問題を抱えています。公務員の労働組合を重視する姿勢と行革はバッティングします。
維新の橋下徹市長らが激しく追及する部分です。公務員労組は自ら身を削る改革に後ろ向きの集団だと叩きまくります。
大阪都構想などで橋下市長に応えなければなりません。支持母体の公務員労組と折り合いをつけることができなければ強い主張は困難です。
岡田民主党の前途は多難です。試金石はすぐに次々と訪れます。覚悟を組めて自民党に対峙する政策を打ち出せなければ埋没します。