安倍総理の積極的平和主義で否応なくテロとの戦いの時代へ引きずり込まれる日本

メディアを通じて「イスラム国」が欧米の人質を取って残虐な行為をしたと聞いても、自らの問題と捉えるところまでは行きませんでした。

安倍総理大臣の中東歴訪のタイミングを狙って20日日本人の人質2人を奪い2億ドルの身代金を要求する事態になって他人事ではなくなりました。

一人は殺害されたと伝えられています。もう一人のジャーナリストの救出に向けて手立てがあるとは考えらず神経戦が続きます。

安倍総理は一貫して積極的平和主義を掲げアメリカとの同盟関係を基軸に軍事面での貢献においても可能な限り前向きな姿勢を堅持しています。

イスラム国に対抗する有志連合に加わり日本の存在感を示そうとしたに違いありません。だから2億ドルの支援を言明したのでしょう。

イスラム国はそのタイミングを狙って日本が我々を敵対するのならばこちらにも考えがあるということで人質を取ったと見ることができます。

要は、安倍総理の積極的平和主義の危険な部分が表に出たと言えます。まさに「積極的」にイスラム国を叩く戦列に加わった帰結です。

2億ドルは人道支援だと主張したところでその基本的なスタンスが「イスラム国」を叩くところに主眼があれば純粋性は薄れます。

ここでそもそもなぜこのような痛ましい事件が起こるのか考えてみたいです。根本原因はどこにあるのかです。私はアメリカにあると思います。

中東で無茶苦茶なことを仕出かしているのはアメリカだってひどいものです。イランと喧嘩している時はイラクと手を組みました。

イラクのフセイン政権が強大になり過ぎると今度はあの手この手を使って戦争を引き起こしました。大量破壊兵器の存在をでっち上げました。

フセイン政権が潰れた後の始末ができず生まれた鬼っ子的存在がイスラム国です。全部アメリカが種をまき散らしています。

アメリカのオバマ大統領はイスラム国をガンのような存在だと位置付けました。細胞をガン化させてしまったのは自国だという認識がありません。

そしてアメリカが仕掛けた戦争で一体何人の無辜の一般市民が無残な死を強いられたのかという反省が全くありません。

安倍総理は、そのアメリカと手を堂々と組んでテロと戦うと宣言した訳です。逆の立場から見れば日本が敵に見えても仕方ありません。

アメリカのずるいのはイスラエルのこととなると見て見ぬ振りをします。イスラエルが核兵器を所有しているのは常識となっています。

他のアラブ諸国にとってはとんでもない欺瞞と目に映るでしょう。イスラエルはパレスチナとの戦闘で数多の無辜の市民を死に追いやりました。

そのイスラエルとも堂々と手を握ることを安倍総理は宣言しました。安倍総理の積極的平和主義外交はもう一つ危ない橋を渡りました。

イスラム国から敵だとレッテルを張られた日本にとって現状を打開するための選択の余地はありません。アメリカとともに戦うという選択です。

暗たんたる思いです。しかし安倍総理の一強体制の現状では如何ともし難いです。もっと無残なテロを引き寄せないか懸念します。

日本国民は覚悟しないといけません。テロという見えない恐怖と向き合わざるを得ない時代に無理やり引っ張り込まれました。