神奈川大後期試験終了、残すは採点…。
昨日は、神奈川大学の後期試験の日でした。午前は、政策過程論、午後は、地域政治論、2講座、時間は60分の論文試験です。
試験はいくつかある設問を自ら選んで論じる形式です。政策過程論では、まず、地方首長が持つ最終的強権、専決処分について問題を出しました。
専決処分は、鹿児島県阿久根市の前市長が専決処分を乱発して職員や議員の給与の削減、副市長の人事の強硬して話題となりました。
専決処分をめぐっては裁判も起きており、議会の議決を経ずして首長が決定できる範囲は制限される方向が判決で示されています。
もう一つの設問は、新しい公共についてです。住民がただ単に行政や議会に陳情したりするだけでなく自ら行動し課題解決する動きが目立って来ました。
NPOの活動が典型例です。私はこの動きの力が社会を変革する原動力だと思っています。講義でも力を注ぎました。
若者たちがこうした活動にどんどん飛び込んでいって、ボランティア活動を超えて新しい事業を興していって欲しいと思います。
学生たちから新奇性あふれる独自のアイデアが出てこないか楽しみにしています。若者のセンスを試験を通じて見てみたいです。
地域政治論では、日本各地の地域政治のうちで私が着目している地域について講義しました。沖縄と福島と北海道が主要な対象でした。
試験は、スコットランドの独立の住民投票と沖縄での自治の動きとの共通性を論じるのが一つの設問としました。
昨年9月、後期の講義が始まったばかりの時にスコットランドの独立をめぐる住民投票が行われました。
一時はひょっとして独立かというところまで行き世界の注目の的となりました。国家としての意思と地域の自治のせめぎ合いでした。
スコットランドと沖縄の歴史に詳しい沖縄の友人の学者からのヒアリングを参考にしながら独立の動きについて解説して来ました。
もう一つは、沖縄と福島の対比を論じる問題です。基地と原発。それぞれ大変な難問を抱えながらそれぞれの地域政治は展開されています。
昨年秋の福島県知事選挙と沖縄県知事選挙への県民の反応は大きな違いを見せました。福島は静かで沖縄は熱かったです。
沖縄は抵抗、福島は融和といって良い顕著な違いがあります。基地の受け入れ、原発の誘致、それぞれの歴史的経緯が違います。
最後の設問は北海道の夕張の再生についてどう考えるかを問いました。夕張市は2007年財政破綻しまし現在再建の途上にあります。
東京都職員だった30代の市長が奮闘中です。しかし若さだけで再建できるほど事態は容易ではありません。
そもそもの根本原因はどこにあるのか、夕張に膨大な投資資金を注ぎ込むことを認めた国や北海道庁の責任はほとんど議論されてません。
まるで夕張市だけが単独で大借金をこしらえたみたいに言われてます。国と北海道長はずるいです。いざとなると責任はとりません。
夕張の破たんの責任の半分は国と北海道道庁にあります。この点をきちんと踏まえて再建の道のりを歩むことが大切です。
答案は明日ゆうパックで届きます。250人以上の答案と向き合う日々が始まります。私にとっては忍耐力を鍛える日々でもあります。