イスラム国に対する「有志連合」へ参加する前に考えるべきこと。

報道から伝えられる中東情勢はどんどん険しくなっているように見えます。過去の出来事が繰り返されより深刻度を増してます。

2003年アメリカはイラクのフセイン大統領の体制を打ち破ろうと戦争を始めました。国連としての賛同は得られませんでした。

ロシアや中国だけでなくヨーロッパからも反発が出ました。フランスです。イラクとの戦争反対の急先鋒となりました。

アメリカは国連決議に基づく多国籍軍を断念し新たに戦線構築をしたのが「有志連合」でした。小泉総理大臣もこれに加わりました。

しかし、今度はフランスも最初から入ってます。加えてイスラム過激派組織に新聞社が襲撃されましたのでイスラムに対する怒りがあります。

日本は、直接戦闘に参加することは憲法上許されません。人道支援や後方支援という枠をはめて自衛隊はイラクに陣地を構えました。

アメリカは、フセイン政権は大量破壊兵器を保有している証拠を握っていると喧伝し戦争を始める正当性としました。でっち上げでした。

今、イスラム国のテロの脅威がクローズアップされ再びアメリカ主導の有志連合の結束強化が図られています。

イラク戦争の根拠とされた大量破壊兵器の保有のように目に見えない証拠と違いイスラム国の所業は、あ然とする残虐行為です。

このような国家が地球上で存在できる理由は理解できませんが残虐行為は映像として世界中に伝播されています。

イスラム国に対して怒りを募らせた諸国は「有志連合」への肩入れを強めています。アラブ首長国連邦のように再び戦線に加わった国もあります。

日本の安倍政権は、イスラム国の余りの残虐行為を見せつけられて、小泉政権の時以上に「有志連合」への肩入れを進める可能性があります。

世界情勢は、テロと報復の連鎖の危険性が高まってます。泥沼を脱する術が見当たりません。日本も引きずり込まれようとしているように見えます。

通常の国家のように目に見える敵と戦うのではなく得体のしれない国家のような集団と戦うのですから逆に切りがありません。

同調者が世界中に拡散していると言われます。いつ何時テロに遭遇するのか判りません。更にどんな武器を使ってくるかも懸念されます。

生物化学兵器の危険性があるといわれます。更に小型核兵器まで保有すれば世界中をパニックに陥れることになることは間違いありません。

テロとの戦いが世界戦争みたいな様相を呈する可能性だって想起されます。とてつもない暗い未来が用意されているようで気味が悪いです。

ここで冷静さを保ちもう一度経緯を見つめ直すことが大切です。本当に有志連合にただ肩入れすることで国民の生命と財産が守れるか再考が必要です。

イラク戦争の時は戦争理由はでっち上げでした。今度は明々白々な残虐行為だというだけで戦いの一方にのめり込んで良いのかという視点です。

政府は、イスラム国による人質惨殺事件をめぐる日本の対処の在り方の検証を始めました。アリバイ作りのような検証は許されません。

アメリカの戦略に従ったために更に残虐な悪夢を見せつけられるとしたら、それが、一番愚かな行為です。日本外交の分岐点です。