メルケル首相からの助言を活かす。
女性の指導者といえば、かつては、鉄の女イギリスのサッチャー首相が代表的存在でした。今はドイツのメルケル首相です。
サッチャー首相は新自由主義、グローバル金融資本主義の伝道者でした。この政策の結果、世界で経済格差が広がりました。
一方、メルケル首相の目指すのは平和です。ウクライナの内戦を終結するためヨーロッパ、ロシアを超人的なスケジュールで飛び回っています。
神が乗り移ったような存在のことをカリスマ性があると言います。現在のメルケル首相はまさにカリスマとなりつつあります。
見るからに体格も良く重厚な輝きを放っています。そのメルケル首相が7年ぶりに来日し安倍総理大臣と会談をしました。
会談で、ナチスドイツの行った行為を透明性を持って検証した経緯を説明しました。記者会見や講演でこの問題を補足しました。
「過去の総括がドイツとフランスの和解の前提になっている。和解があったからEUを作ることができた。」と述べたということです。
一方で隣国フランスの寛容さについてもきちんと言及しています。「フランスの寛容さがなければ和解は実現しなかった。」
日本が過去の歴史ときちんと向き合い、中国や韓国がその姿勢に呼応して寛容な姿勢を取ることができれば和解も決して夢物語ではありません。
東アジア諸国の緊張が緩和し和解が実現すればEUのような東アジア共同体を作ることへと歩を進めることが可能となります。
全ての大前提は、台湾や朝鮮半島を植民地にし中国大陸に侵略した事実を認めきちんと過ちを謝罪することです。
戦後70年に向けて安倍総理大臣の談話の内容に注目が集まっています。これまでの政府の姿勢を堅持する言葉がなければ国際社会に波紋を呼びます。
ドイツの首相までもがこの問題に触れたということは近隣諸国から反発を持たれるような内容ならばヨーロッパからも違和感を持たれます。
アメリカも東アジアの無用な緊張は望んでいません。安倍談話に限っていえば安倍総理は包囲網をひかれていると言えます。
安倍総理がより明快な自分の言葉で村山談話を超えて侵略の過去の事実を認めその反省を述べて欲しいと期待します。
タカ派で国家主義者と見られている安倍総理が明確に侵略戦争と反省の言葉を述べることの意義はとてつもなく大きいと思います。
先の対戦に対する日本の姿勢の堅固さがより一層内外に強調されるからです。そこまで言い切ったかと鮮烈な印象を与えます。
侵略の事実を認め謝罪することは屈辱ではありません。日本の栄光を取り戻すためどうしても通らなければならない道だと思います。
国際社会で冠たる地位を占めるためのいわば通過儀礼です。この門を通って初めて未来志向の道を描くことが可能となります。
過ちを認め謝罪することは道徳の基本中の基本です。道徳心の溢れる国を目指すのならば当然なすべき行為です。安倍総理の英断を待ちます。