「これでいいのか日本!」

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昨日、国会近くの憲政記念館で「これでいいのか日本!」と題するシンポジウムがありました。元参議院のドン、村上正邦さんの団体の主催です。

パネリストが元総理大臣の村山富市さん、衆議院議員の亀井静香さん、保守派の論客西部邁(すすむ)さんでした。

村山元総理は91歳です。かくしゃくたる姿で弁舌も滑らかでした。1995年植民地支配と侵略戦争を認め謝罪した村山談話の発信者です。

自らの兵隊体験と戦後の焼け野原の光景を見て2度と戦争をしてはならないと決心し政治活動へ飛び込んだと話していました。

何より平和が大切であるというのが原点です。独裁が国を誤らすと考えて民主主義とあらゆる人々の平等な権利を大切にするのを信条としました。

こうした立場を取る村山さんにとって日本国憲法、とりわけ戦争放棄を明記した9条は珠玉の条文で堅持すべきだと語っていました。

この先何年生きられるか判らないが訴え続けて行くと発言されてました。平和主義で70年歩んできた日本の進路を行く末を案じていました。

亀井静香さんは、78歳で現役最長老の国会議員です。つい最近安倍総理と官邸で1時間ほど面談し国の進路について意見を交わしました。

イスラム過激派によってテロの標的にされてしまった事実を深刻に捉えるべきだと注意喚起されてました。元公安警察の出身者としての視点でした。

また、集団的自衛権の行使を容認したことにより中東地域でアメリカ軍が戦闘行為を発動した際が一番危ないと憂慮されてました。

アメリカ軍が対イスラム国で地上戦を展開し日本に何らかの後方支援を求められた場合は止められない。自衛隊に危険が及ぶと警告されてました。

西部邁さんは、憲法について持論を述べていたのが印象的でした。日本国憲法はアメリカの戦略の産物だと言われます。

日本を2度とアメリカに逆らえないような国にしようという意図があって軍事力を持てないようにしたと断言されてました。

この見解には会場から平和的な国家を創ろうという民衆側の動きがあって平和憲法ができた経緯を無視してはならないという意見が出ました。

3人に共通していたのは、現在の安倍路線に対する懸念でした。このままの路線を突き進めば日本が再び道を誤るのではないかという思いです。

安倍総理の存在が大きく強過ぎて自民党内の議論は盛り上がりません。公明党にも限界があり野党は弱小です。

元総理大臣、現役最古参の代議士、論壇の論客という立場の違いはあるにせよ日本の進路を誤らないようモノ申して行く姿勢は明確でした。

この姿勢は学ぶ必要があると思いました。戦後70年を迎え安全保障面で日本の進路は大きく問い直されようとしています。

本当に安倍路線を歩んで良いのかどうか国民一人一人が自らの問題として捉え直す必要があります。国民的議論が必要です。

各分野の重鎮たちが沈黙するのではなくモノ申していくことは国民的議論のきっかけとなります。もっと火の手を上げて欲しいです。