開成町の町づくりを日本中に発信する時代の到来!

(開成町あじさいの里 町HPより)

神奈川県で面積が1番小さな町開成町。面積は6.55平方キロで、全国に1741ある市区町村で1720位です。

その豆粒のような町の町づくりが日本全国のモデルとなる時代がやって来ました。厳格な土地利用規制による町づくりです。

農林水産省が絶対に譲らなかった農地の転用規制に風穴が明けられようとしています。県が主体となって転用が認められようとしています。

3日付けの朝日新聞の社説でも取り上げていました。これまであまり大きな記事になっていませんでしが私はずっと着目していました。

4ヘクタール未満はこれまでも県の権限で農地転用がなされていましたが国との協議が必要で実態は大きな壁がありました。

その壁を取り払うだけでなく4ヘクタール以上の農地の転用も県が主導的な役割を果たす方向で法改正が行われる見通しです。

農林水産省をよく説得したと目を見張りました。相当の腕力が無いとできる話ではありません。誰が推し進めたかは見当つきます。

この改革は地味ですが大変革になる可能性を秘めています。上手く行けば柔軟な土地利用によって地方、地域の活性化が期待できます。

一歩間違うと土地の景観をめちゃめちゃにする乱開発になります。行政の差配がとてつもなく大切となります。

原理原則が大切です。土地は天からの贈り物です。パッチワークのような乱開発をしてしまっては元も子もありません。

ここで開成町の町づくりが光ります。1965年の都市計画法の大改正の時に小さな町を3分割して利用方針を定めました。

小さな町全域を土地計画区域に入れる大決断がありました。自由自在な開発を放棄して計画的町づくりへと舵を切りました。

町北部には水田の景観を残してほ場整備を進め、中央部には公共施設を集中させながら住宅地を整備しました。

そして南部地域は小田急線の新たな駅を誘致することを核にして計画的に開発を進める方針を定めました。

半世紀を経た今日1965年に描いた夢が着実に実現しています。人口増です。一貫した土地利用政策が絶大な効果を発揮したのです。

最初の一歩は農地を守ることからスタートしたことを忘れてはなりません。整備された水田のあぜ道にあじさいを植えて観光資源としました。

農地を転用する権限が国から県に移ったことを良いことにして無計画な転用は許されません。明確な理屈が必要です。

土地利用方針を明確化することが1番です。開成町でもより厳格にするために土地利用方針を条例化することが必要かもしれません。

その原則の上に立って農地転用をした方が適当なところを選び開発を許すことが原則です。順番を間違えると乱開発になります。

県の土地利用に対する哲学が問われます。農業を守り育てながらいかに経済活性化を図るか両立を目指さなくてはなりません。

無計画に大型店の誘致を進めたり大掛かりな宅地開発を進めれば良質な農地が無残な姿をさらします。きちんとした哲学のある計画が必要です。

私は開成町を参考にして欲しいと思います。短兵急に開発を急ぐのではなく半世紀かけて歩んできた町づくりを見て欲しいです。