「開かれた江戸時代論」、小論にして発表しました。
私は、現代の様々な危機を脱するには江戸時代の良さを取り戻して世界に開かれた日本を創り直すというのが持論です。
「NPO現代の理論・社会フォーラム」という研究者やジャーナリストや有識者が集まっているグループがあります。
そのグループが発行している雑誌「フォーラムオピニオン」28号にかねてからの持論「開かれた江戸時代論」をまとめ発表しました。
400字詰めの原稿用紙にすれば25枚程度ですので論文というより小論のレベルですが私の持論の骨子は盛り込みました。
28号の特集は「人口減少と地方再生」でした。神奈川県開成町の前町長の肩書でどう打開すれば良いのかまとめて欲しいと要請されました。
編集者は開成町が人口が増えていることを承知していて開成町の町づくりから」人口減少を打ち破る方策を導きたいと思ったに違いありません。
私は編集者の希望は良く理解できたのですが「人口減少と地方再生」の問題の本質に迫りもっと大きな視点から論じたいと伝えました。
その結果が「開かれた江戸時代論」です。小さな町の成功実例だけを論じていても日本全体を救う方策にまでは波及できません。
日本全体の体制が今のままで良いのかどうかまで視野に収めて「人口減少と地方再生」を考えていく必要があります。
それぞれの地域での実践と日本全体の体制をどのような形に持って行くのかはいわば車の両輪です。両方考えなくてはなりません。
日本の危機の原因は私に言わせれば単純明快です。欧米に学び過ぎです。そのために作った中央集権体制がガタがきているというものです。
これ以上、欧米の思想に追随する姿勢を改めるとともに日本各地域の個性が発揮できるような体制を整えることが大切です。
日本全国各地の個性を発揮できるような体制を考えるということは私に言わせれば江戸時代の良さを取り戻すことにつながります。
小論の中では欧米追随の思想傾向を改める典型的な事例として二宮尊徳先生の思想と村の再興の実践を紹介しました。
自然との調和を図りながら徹底的な調査に基づいて漸進的に改革を図る二宮尊徳先生の手法は現代に活かすことが求められています。
体制を刷新することは江戸時代の幕藩体制に学ぶところがあります。自然のつながりである流域を1つの単位としている流域思想があるからです。
しかし江戸時代の藩ではグローバル時代に対応する単位としては小さすぎて弱すぎます。もう少し大きな単位を構想しなくてはなりません。
上から押し付けるような道州制ではなく自然のつながりを大切にした現行の都道府県の枠を超えるまとまりを再構築することは大切です。
そして仮にその単位を州と呼ぶのならば各州に首都機能を分散させて各州の活力の拠点づくりを進める必要があります。
仕上げは遷都です。天皇陛下が京都にお帰りになられ京都が日本の文化首都として再生することが大転換の象徴です。
壮大な妄想に聞こえるかもしれません。しかし、日本の国を根本から改めるためには少なくとも2050年を目指して大胆な構想が不可欠です。
目先の地域活性化も大切です。一方で同時に大きな国づくりの構想をまとめ漸進的に着実にこの国を大転換させることを目指す必要があります。