低投票率時代と地方政治
本日は、統一地方選挙前半戦の投票日です。選挙への関心が上がらず投票率が低いのではないかと心配されています。
残念なことではありますが、国政選挙、地方選挙を問わず低投票率は定着してしまいました。低投票率を前提に政治を考える時代になりました。
2009年8月の政権交代選挙で70パーセント近くまで伸びた衆議院選挙の投票率は前回前々回と戦後最低を更新し52パーセント台です。
これは民主党の責任が大きいです。自民党からの政権交代で日本の政治が変わるのではないかという期待感が膨らみました。
しかし、その後の政治は余りに稚拙で掲げた政策はことごとく潰えました。有権者のしらけを誘発してしまったと思います。
もし仮に民主党がもう少し堅固で政治の大転換路線が継続していれば地方政治へも大きく波及し地方政治への関心も高まったと思います。
「地域主権改革」は民主党の看板政策でした。地方へもっと権限と財源を移して地域に適合した政治を展開できるようになると一瞬夢見ました。
儚い幻想に終わりました。これでは地方政治への関心を高めよといっても無理があります。理想を掲げたところでできないと見切られました。
代わりに地方自治体を覆っているのは中央政府の方針に逆らわずに追従し美味しいところはいただこうといううごめきです。
中央に振り回されずにしたたかに動こうという姿勢は理解できない訳でもありませんが本気で地方を立て直そうという意欲につながってません。
民主党の拙さで国政政治への関心が薄れ、その余波が地方にもろに向いたのが昨今の地方政治への無関心が増えた要因の元です。
安倍政権の地方創生政策は、バラマキではないと政権側は強調していますが中央主導の傾向が強く地方の本気の自主性を呼び起こしてはいません。
地方政治への無関心の要因を私なりに整理すると以上のような分析となります。このような状況下では地方選挙が熱くなりません。
低投票率で当選する首長や議員は、有権者全体の少数からしか支持を得ていないという認識を持つことが不可欠です。
当選できたのだから何でも出来ると考えたとしたらとんでもない過ちです。民意を代表していないぐらいの謙虚さを持つ必要があります。
それと重要な政策決定を行う度にもう一度丁寧に民意の確認のプロセスが必要となります。公約だからやれると判断するのは間違いです。
コンピューターを活用した住民投票が簡便にできるようになれば重要課題について最新の住民の意向を博把握できるのですがそこまで行ってません。
民意をくみ取るための丁寧な地区集会やアンケート調査など旧来型の手法を大切にせざるを得ません。謙虚な政治が何より大切です。
それにしても地方政治への無関心を転換させることは容易ではありません。有権者の関心を呼び覚ます争点の設定が求められます。
賛否両論ありますが橋下徹大阪市長の提唱する大阪都構想はその一例です。論点設定は私は間違っていないと思います。
地方政治においても地域課題をもう一度洗い直して小手先ではなく根本からの改革を断行するための争点を掲げる大きな政治が求められています。