酒蔵復活会議
(瀬戸酒造 神奈川県酒販組合ホームページより)
昨日、開成町の瀬戸酒造の復活に向けて燃えている面々が集まりました。毎月意見交換しています。具体の行動へと進もうとしています。
東京農業大学の穂坂賢教授が前回から参加するようになりぐっと話が専門的になりました。全国の酒蔵に教え子が居ますので情報が豊富です。
瀬戸酒造は、酒造免許を持ち「酒田錦」というブランドは持っています。しかし自ら醸造は行っていません。他の酒蔵で造ってもらっています。
酒造免許はその土地に与えられるということを始めて知りました。酒はその土地の風土によって育まれるということを示しています。
その免許の趣旨を踏まえると他地域の別の酒蔵で造ってもらうというのは本来のあり方ではありません。その土地で醸造するのが筋です。
その土地で作られた酒米とその土地の水を使用して酒を造ることです。穂坂さんのお話しを伺っていて復活しかないと思いました。
開成町は水は豊富です。美味しい地下水が流れています。富士山や丹沢山塊を源流としています。水は問題ありません。
頭が痛いのは酒米です。開成町やそれに連なる南足柄市の水田では酒米を栽培している農家があります。しかし極めて少数です。
栽培が難しい割に収穫量が少なく価格の方もそれほど高くないので割に合わないというのが農家の間で定着しているということです。
1番有名な酒米の銘柄は山田錦です。酒どころ灘(なだ)がある兵庫県が産地です。全国的に品薄で価格が高騰していると言われます。
ヨーロッパで人気を博している純米酒を生産している山口県の酒造メーカーが買い付けているからだと言われています。
それなら山田錦を開成町で栽培すれば良いではないかと思われるかもしれませんが山田錦の栽培は技術的に難しいようです。
その土地にあった酒米を栽培することが望ましいです。そうなりますとしばらくの間、試験的な栽培が必要となります。
協力していただける農家があっても、いわば実証実験期間の栽培を保障する財政的支援が無いと進みません。
実証期間が過ぎた後はある程度の高値で酒米を買い取りませんと農家の酒米生産は広がりません。酒蔵復活のネックです。
穂坂さんはまずは5年で瀬戸酒造で酒の生産を再開したいと言われてます。次の5年で本格生産へと進むことを目指しています。
そして最初は現在酒を造ってもらっている酒蔵と協力して新たなブランドの酒の生産を進めるあたりから考えたらどうかと提案されてました。
俗に言う小さく生んで大きく育てる戦略です。こちらの方のが当初の財政負担も少なく済みます。現実的な提案だと感心しました。
神奈川県が県西地域の活性化策の提案募集を行う計画であるということです。民間の提案も受け入れると方針だということです。
是非応募しようということになっています。我々のグループは実績がありませんので穂坂さんの提案を踏まえて無理ない提案をして行きたいです。
勉強会は来月も行います。忙しくなりそうです。でも酒蔵の復活はとても夢のある話しです。実現目指して前進あるのみです。