朝日新聞は懲りていません。

先週の金曜日、17日付けの朝日新聞の朝刊に2段組の訂正記事が掲載されていました。中身を読んであ然としました。

昨年の5月26日の記事の訂正でした。川崎市内の社会福祉法人の理事長が強引な法人運営で様々な不祥事を仕出かしたという記事でした。

印象に残っています。大々的な記事でした。社会福祉法人のワンマン理事長が法人を私物化して私腹を肥やしている疑いがあるという話しでした。

いかにもありそうな感じがします。テレビドラマにもなりそうな物語でした。社会福祉を隠れ蓑にした偽善者の姿を暴いている感じでした。

記者は恐らく正義感が強く社会の不正を正そうという意欲に燃えていたのだと推測します。しかし、思い込みが過ぎたのではないでしょうか。

「ワンマン理事長”暴走”」「社福法人の私物化」「親族から備品購入」。これらの見出しを取り消しますと書かれていました。

一連の見出しが無くては読者を何ら引きつけません。見出し全てを取り消すということは記事をねつ造したと言われても仕方ありません。

私が記事で叩かれた理事長であったならばこんな訂正記事で絶対に許しません。見出しで多くの読者は先入観を植え付けられます。

川崎市が社会福祉法人を対象に行った指導監査が根拠にされました。詰めが極めて甘く監査の内容を勝手に拡大解釈した疑い濃厚です。

「事実関係の確認が不十分で、正確に記述しなかったため、誤解を与える表現となりました。」と訂正記事は締めくくられています。

誤解を与えるなんてものではありません。これは全く許されるものではありません。でっち上げに近いと思います。

昨年、慰安婦報道や3・11の原発関連報道で記事の取り消しをせざるを得ずトップが辞任するという事態を引き起こしたばかりです。

驚くべき事態です。反省が全く無いと言わざるを得ません。慰安婦や原発報道に比べれば目立たない記事かもしれませんがひどいです。

報道の自由は大切です。民主主義の基本ですが何をかいても赦されるという話ではありません。暗たんたる気分にさせられます。

NHKクローズアップ現代のやらせ問題とテレビ朝日の報道ステーションでのキャスターとコメンテーターのやり取りが話題になっています。

自民党が両テレビ局から事情を聴取しました。権力の報道の自由に対する介入だと指摘する内容の記事も目立ちます。

朝日新聞もそうした懸念を伝える記事を掲載していました。しかし、自らねつ造と指摘されるような記事を連発していては説得力ありません。

報道への権力の介入を招くとしたらそれ相当の理由を自ら作っているという側面を見なければなりません。大マスコミの驕りがあります。

権力に媚て尻尾を振れと言っているのではありません。報道の自由を主張するのならば自らの報道の姿勢にも責任を持たなくてはなりません。

いい加減な報道を繰り返し一方で報道の自由を主張するとしたら自由をはき違えています。猛省しないと結果として報道は自由を失います。