金太郎と南足柄市の地域づくり

大雄山駅前にある金太郎像

(南足柄市HPより)

28日南足柄で金太郎をテーマに地域づくりに取り組んでいる「金太郎ファミリーの会」の皆さんに招かれ講演をしました。

題名はちょっと大げさに「21世紀の地域づくり」としました。難しい話しになるのではないかと心配されていた方もいられました。

しかし、話の中身は単純明快です。20世紀は、対立が続きました。一方、経済発展の時代です。俺が俺がと目先の利益を求めました。

21世紀はそうした流れを切り変えて互いの違いを認め合って力を合わせて地域を国を世界を創っていけるかどうかです。

ではどうすればよいのでしょうか。自分のできるところから自分の足元から少しずつ直して行くしかほかに道はありません。

お手本の1つは開成町の町づくりです。長い目で見て目先の利益だけで町を行き当たりバッタリに開発しませんでした。

美しい水田のあぜ道にあじさいを植えてその独特の美しい景観を宣伝して名前を売り込みました。守ることから始め開発は後にしました。

その効果はすぐには出ませんでしたがバブルが弾け日本の経済がおかしくなった後から一気に開花しました。

どんどん人が、若い世代が移り住んできて町の勢いが増しました。この手法を取り入れて地域づくりを進めれば再生は可能です。

南足柄の皆さんには耳の痛い話をしました。南足柄市は富士フイルムという打ち出の小槌的な存在があったために甘えがあると言いました。

最盛期には富士フイルム1社で開成町の一般開会とほぼ等しい40億円の法人税収がありました。日本で一番豊かな自治体の1つでした。

開成町とは比較するのが嫌になるぐらいです。この恵みもバブルがはじけた後は急速に減少しました。大転換が起きたのです。

しかし、意識はまだ豊かな時代のままではないかと思えてなりません。本気で時代の大転換に向き合おうとしているのかいささか疑問です。

金太郎をシンボルにして市を創ると言っても本当に何をしたいのか他地域からは見えてきません。金太郎への徹底したこだわりが感じられません。

開成町の場合は他に売るものがありませんでしたのであじさいに集中しました。美しい水田とあじさいで景観をアピールしました。

今年町制60周年を迎えるのを機に田舎だけれでもおしゃれな都会的センスのある町ということで「田舎モダン」を売りにしています。

美しい景観を守ったために新しい人が住み都会的な街並みも整ってきた状況の変化に合わせてキャッチコピーも進化しました。

金太郎に託そうとしている南足柄市が金太郎に21世紀の南足柄の地域づくりの方向性をどのように重ねて行くかが課題です。

私はゼロベースで考え直す時期に来ていると思います。余りに豊かだったために考えることが不十分だったのではないかと思います。

金太郎のイメージは気は優しく力持ちです。健康的です。分かち合いの時代に元気を注入するイメージとして相応しいです。

「金太郎ファミリーの会」の皆さんが中心となって金太郎の地域づくりとは何かを原点に立ち返って大いに議論して欲しいです。

 

 

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