どうなる大阪都構想?
いよいよ大阪都構想の住民投票が行われます。開票も本日です。地方から国のあり方を変革する内容を孕んだ住民投票です。
大阪都構想が成立し大阪府と大阪市の在り方が根本から変革することとなれば、日本全国の都道府県と大都市の関係の変革へと波及します。
いち大阪市の問題ではなく国全体の地方自治体制のあり方を大転換する引き金が引かれるかどうかという認識を持つことが大切です。
それにしても規模がすごいです。211万人の有権者が対象です。東京と並び称される西の巨大都市が無くなるかどうかが問われています。
住民投票は法的な拘束力を持ちます。1票でも上回れば大阪市は5つの特別区に解体再編されます。大転換となります。
しかも猛スピードです。2017年4月に大阪都となります。この急進さは改革という名前では捉え切れません。革命です。
体制を大転換することで大阪府と大阪市の2重行政を打破するという橋下市長の論理は極めて単純明快です。
単純であることは力を持ちます。一気に叩き壊して新制度に一新するというのですからすさまじいエネルギーだと思います。
橋本徹さんという人は、只者ではありません。しかし現代の民主主義社会でこのような革命的な手法が認められるどうかです。
通常ならば長期の綿密な計画を練って最低でも10年間ぐらいをかけて漸進的に実現していくのが順当なやり方だと思います。
橋下市長はそういった手法では議論ばかりして進まないと見ているのでしょう。さて、有権者がどう判断するのか大注目です。
先週の木曜日の神奈川大学の講義、地域政治論で大阪都構想の住民投票のことを触れました。7、80人ほど学生に率直に聞きました。
どっちが勝つと思いますかと。圧倒的に大阪都構想に反対する方が勝つという方に手が上がりました。大差でしたので驚きました。
理由は尋ねていません。恐らく橋下市長の強引さに若者も嫌気が差して来ているのではないかと推測しました。今週の講義で再度聞いてみたいです。
私の大阪都構想に関する考え方は何度もブログで述べました。方向性は間違っていないと思います。手法が余りに乱暴です。
緻密な計画が必要です。一発決着でなくまずは法的拘束力を持たない住民投票を行い最終決着の時に法的拘束力のある住民投票が妥当です。
時間は最低でも10年かかります。これだけの大改革を2、3年でやろうとするのはいくらなんでも無理が過ぎます。
大阪市民の税金の使い方を決定的に変える内容です。大阪都に吸い上げて配分をし直すというのですから一大事件です。
実施するまでの間に様々な反対が鳴り止まず混乱に次ぐ混乱となるように思います。進むも地獄という言葉が似あいます。
それでは現行のままで良いのかというと現状では大阪府と大阪市の2重行政を抜本的に変革することはできません。
これもまた大阪市民にとって不幸なことです。橋下市長の問題提起を受け止めて改革は進めることが必要なことは言うまでもありません。
住民投票は、二者択一です。白か黒か、はっきりします。どっちに転んでも結果を受け止めて市民全体が納得する方向へと軌道修正が必要だと思います。