県西地域の広域連携で箱根・大涌谷の危機に立ち向かう。
(箱根町火山防災マップ 箱根町ホームページより)
昨日は、神奈川大学の地域政治論の講義の日です。前期の本題である神奈川県西部の地域政治論にいよいよ入りました。
地域政治を語るには2つの前提を理解して置く必要があります。1つは地理的な特性です。もう1つは歴史的な背景です。
地理的特性と地域政治を考える待ったなしの課題が今まさに発生しています。箱根山で火山活動が活発になっています。
気象庁の定めた警戒レベルは、レベル2です。噴火口と想定される大涌谷周辺地域が立ち入り規制となっています。
静岡大学で富士山の研究で知られる小山真人さんが噴火の可能性を過去のデータに基づいて計算した結果が報道されていました。
確率は4パーセントということです。万万が一に備える対応だけはしておかなければならないことは言うまでもありません。
昨年9月の御岳山の噴火の後の箱根町に対応は素早かったです。今年の3月に噴火に備えて避難誘導のマニュアルを策定しました。
このマニュアルに沿って今回の事態に対応している訳です。正式に認知されたルールに従って対処するという基本がしっかりしています。
もし出来ていなかったら行き当たりバッタリの措置となります。ドタバタ劇は冷静さを失わさせます。騒ぎが一段と大きくなります。
マニュアル作りが進んだ背景には神奈川県立の温泉地学研究所の存在があると思います。温泉と地震の両方を研究するユニークな研究所です。
NHKのクローズアップ現代でも温泉地学研究所の奮闘ぶりが紹介されていました。開成町在住の萬年主任研究員がインタビューに答えていました。
県が特色ある研究機関を有していたことは大いに評価されます。財政難ということで研究機関への風当たりが強いですがイザという時に役立ちました。
箱根町の山口町長も苦渋の決断で立ち入り規制をしたと話していました。経済的な打撃が当然発生しますので胸中を察します。
箱根の玄関口の小田原市を中心とする県西地域全体で今回の箱根のいわば危機に対処している姿勢を打ち出す必要があると思います。
国等への要望活動も箱根町単独というより県西地域全体としての行動の方がインパクトがあることは言うまでもあります。
県西地域全体で今回の問題の情報共有をする場面を作っていくことを早急にする必要があると思います。小田原市に期待したいです。
ピンチはチャンスでもあります。立ち入りができないのは大涌谷周辺に限定されてます。影響のない箱根の観光地と連携の取り組みもありえます。
開成町が町制60周年記念事業の1つとして箱根の小涌園とタイアップしてキャンペーンをしています。1つの事例です。
大涌谷の現状がどうなっているのかリアルに伝えて逆に安心材料とすることも必要だと思います。この種の技術は進んでます。
インターネットカメラはもはや常識ですし、今話題のドローンを定期的に飛ばすことも十二分に可能な時代となっています。
大切なことは得られた情報を隠さないで必要な情報はどんどん逆に公開していく姿勢です。安心感を醸成すると思います。
大涌谷周辺の火山活動は今しばらく活発な時期が続くことを念頭に県西地域全体で知恵を絞り今回の危機を乗り越えて欲しいです。