富士山噴火、平時の備え。
(6月7日 箱根湯本 午後1時過ぎ)
昨日、高校の先輩が主催している勉強会で話しをさせていただきました。箱根湯本駅のすぐそばにある薬局の2階が会場でした。
午後1時過ぎに箱根湯本駅に到着しました。お客さんが少ないと思いました。日曜日なのにと思いました。商店街も人通りは少なかったです。
大涌谷周辺の立ち入り規制の報道の影響が確実に出ています。何となく不安で客足が遠のいているのだと思います。
勉強会は10人ほどの小さな会です。テーマは地域の災害の危機管理でした。富士山の噴火を取り上げました。
(撮影 山北町 藤井俊治さん)
日本のシンボル、富士山の噴火が無いとは言い切れません。本格的に噴火に備えることが必要だと思えてなりません。
1番最近の噴火は1707年の宝永噴火で史料もたくさん残っています。考えるも嫌になるような事態ですが直視しなければなりません。
一昨日のブログでも記述しましたが膨大な量の砂が降り注ぐ砂地獄への備えが典型例です。砂地獄に続いて洪水も想定されます。
砂地獄と洪水地獄、この2つの悪夢にどう立ち向かうかが大切です。本気で検討が進んでいるとは言えない状況です。
砂置場をどうするかがまず難題です。この手の話しは発生してから置き場所を考えてもスムーズに事態は進みません。
平時において検討し砂置場の予定か所を決定して置かないと対応不能です。宝永噴火の際の記録が残っています。
壗下(まました)村(現在の南足柄市)では村の40パーセントが砂置場になってしまったということです。現代で同じことはできません。
人口が違います。住宅も密集しています。水田は全部潰して良いのかというと耕作している方がそれは許しません。
一番望ましいのは酒匂川沿いに非常時には砂置場としても良い水田を集約してその水田保有者に対し税制上の優遇措置をとることです。
富士山が噴火した場合はそのエリアを買収して砂置場として人工的に砂山を作るしかありません。想定量と見合う面積の確保を目指します。
洪水地獄への備えとして再検討が必要なのはかすみ堤です。江戸時代の堤防は不連続で2重堤防になっていました。
2重堤防の間から洪水時には水が逆流して一時的な遊水地となります。洪水を防ぐのではなく許容する考え方による治水です。
酒匂川には幸いなことにかすみ堤が3カ所残っています。このかすみ堤を強化して遊水地としての機能を高めることを考えるべきです。
噴火の砂とともに濁流が流れ込んできます。江戸時代のように上流部で堤防が切れるとは限りません。強固になっているからです。
上流部で切れなければ下流部の小田原市で堤防を濁流が超えることは十二分過ぎるぐらいにありえます。住宅密集地が濁流に洗われます。
この危険性を少しでも減らすためにはかすみ堤を高くして一時的な遊水地で貯められる水量を増やすことが有効だと思います。
こうした大事業を実施するには国家が乗り出さなければなりません。酒匂川を国管理とすることが不可欠だと思います。
富士山は日本の象徴です。シンボルが火を噴くのですから国家の一大事です。国が本気で取り組むことが必要です。