丹羽宇一郎前中国大使、表敬。

DSC00426

丹羽宇一郎 『危機を突破する力』 角川新書

一昨日、前中国大使の丹羽宇一郎さんと1時間ほど意見交換できました。久しぶりにお会いしました。とてもお元気でした。

丹羽さんはこのほど日中友好協会の会長に就任されました。抱負を伺おうと思って東京・赤坂のカナダ大使館近くにある事務所を訪問しました。

若干は明るい兆しはあるとはいえ日中関係は厳しい状況が続いています。この時期日中友好協会の会長を引き受けられた理由を尋ねました。

丹羽さんは単刀直入に「リベンジしたい。」と述べられました。リベンジ、復習とは物騒です。首を傾げていると話を続けられました。

丹羽さんが中国大使だった2012年は日中国交正常化から40周年の記念すべき年でした。しかし尖閣問題でお祝いムードは吹き飛びました。

数多の祝賀行事が中止へと追い込まれました。丹羽さんにとっては痛恨事であったということです。これをやり直したいという意味でした。

今度は民間の立場から日本全国の姉妹都市関係の自治体に呼びかけて45周年の2017年に日中友好を盛り上げたいと意気込んでました。

元中国大使ですので政治的なタイミングも読んでいました。2017年が習近平政権が10年の折り返し点に当たります。

この時にこそ日中関係の緊張緩和を果たしたいと言われてました。あと2年しかありません。丹羽さんのリーダーシップに期待です。

政府の公式の立場ですとなかなか行動が難しいことを熟知されているからこその判断だと思いました。素晴らしい発想だと思いました。

習近平政権も国内で政府腐敗撲滅のキャンペーンを張っています。強力な権力を確立しないと自らが反撃にあってしまいます。

国内で強権を確立して置いて対外的には柔軟が意向という訳には行きません。中国としての主張を強硬に繰り広げて行くと予想されます。

丹羽さんもこの辺んの状況の推移は十二分に認識されています。だからこそ民間から友好の行事を演出して行こうということだと思います。

私も丹羽さんの時代の読み方に賛成です。日中関係は政府レベルでは相当に厳しい関係が継続せざるを得ないと見ています。

対立を決定的にしないためには政府レベルではなく友好の絆を堅持することが不可欠です。民間が主体となる必要があります。

私なりにできることをしようと考えて中国の治水神・禹王をテーマにした日中間の文化交流に取り組んでいます。

政府レベルで進めることは不可能でも地方自治体レベルならば可能かもしれません。地方自治体同士の交流も考えたいです。

丹羽さんのお話しですと380都市も姉妹都市関係にあるということです。政府間が難しい時期にこそ行動して欲しいです。

DSC00425

丹羽さんより帰りがけに一冊の著書をいただきました。『危機を突破する力』という角川新書でした。「私心を捨てよ」と書かれてました。

大先輩に対して失礼ですがわが意を得たりと思いました。危機の時代を突破するには身を捨てて取り掛からなければなりません。

肚が決まれば落ち着いて冷静に事象を観察もできます。そうした心境になってこそ世のため人のために働くことができます。