中国訪問
(2013年5月 世界遺産「殷墟」での日中青少年書画展)
来週月曜日から木曜日まで3泊4日で中国に行きます。「自主・民主・平和のための国民連合」の訪中団の一員に仲間入りさせてもらっての訪中です。
おととしの6月丹羽宇一郎前中国大使を招いて横浜で講演会を開催しました。昨年の7月には日中友好に生涯を賭けた経済人岡崎嘉平太に学ぶ会を行いました。
10月には野中広務元内閣官房長官や柳沢協二元防衛省官房長らによる日中と沖縄の問題を考えるシンポジウムを開きました。いずれも大変に好評でした。
一連の催しを実施した際に全面的に支援してくれたのが国民連合の皆さんでした。こうした縁で今回の訪中団に参加することにしました。
団長は国際政治学者で国連大学の副学長などを務めた武者小路公秀さんです。労働組合のOBや現役の方、地方議員の方が一緒に訪問します。
国民連合はアメリカに依存せず自主的で平和路線を志向する考え方で幅広い階層による民主的な集まりを作って政治を変えていこうという立場です。
観光旅行とは全く無縁の中国訪問で中国国際戦略学会、中国社会科学院の日本研究所、中華全国総工会、中国国際交流会を訪問し議論するのが目的です。
南シナ海での埋め立て工事の強行など対外的に強さを前面に出す路線を打ち出している習近平政権の安全保障外交をどのように説明するか耳を傾けたいです。
内政では政治腐敗に対して厳しい姿勢を示している路線選択の背景も聞きたいです。少数民族の人権についてどう語るのかも注目しています。メディア統制についてもです。
以上のような堅い話題だけでなく歴史と文化の民間交流について問題提起することにしています。町長時代以来実際に手がけている禹王についての交流です。
日中の溝は現代の課題について双方の立場を互いに言いあうだけでは埋まりません。歴史や文化へと視野を広げて互いの共通性と違いを学ぶことが必要です。
中国最古の王朝である「夏」の最初の皇帝だとされる禹王をテーマにした日中間の民間交流が持つ無限の可能性について大いに語ってこようと思います。
2010年11月に開成町で禹王サミットを開催した際に中国社会科学院の日本研究の第一人者湯重南さんをお招きして日本の禹王研究の実情を見てもらいました。
おととしの5月に中国を訪問した際に湯重南さんと再開することができました。足柄の歴史再発見クラブの皆さんがその後の研究の進展を話しました。
湯重南さんとお会いできたら今年の5月の東アジア文化交渉学会で禹王研究が主要テーマに取り上げられて大成功に終わったことを是非伝えたいです。
世界情勢は、アメリカの力が弱まり中国が経済力だけでなく国力全体を伸ばしてきています。そのはざまに立つ日本の進路も大きな転換点を迎えています。
力と力の対立が露わになる気配も感じられます。こうした難しい情勢の中に一筋を光を差し込むのは歴史と文化による交流だと私は確信しています。
あらゆる機会をとらえて禹王をテーマにした日中交流の意義を伝えていきます。来年秋には中国で禹王に関するシンポジウムの開催を目指しています。