昨晩のNHKスペシャルで1985年8月12日の日航機の御巣鷹山墜落事故でなぜ16時間も墜落現場が不明だったかを検証していました。

事故原因はほぼ特定されています。機体後部の圧力隔壁といわれる部分の修理ミスだと見られています。しかし、墜落場所の発見がなぜ遅れたかについては不明のままです。

NHKはその解明に照準を合わせました。第一通報者の女性に現地でインタビューしていました。頭上を事故を起こした日航機が通り過ぎ墜落したのを見ていました。

ほぼ正確に墜落場所を差し示していました。警察に110通報されていました。しかしこの情報は活かされませんでした。ここが決定的な遅れとなりました。

捜索に飛び立った自衛隊機は尾根に墜落した日航機が原因とみられる山火事を撮影していました。搭乗していた自衛官が火の鳥のようだったと証言していました。

それでも場所の特定に至りませんでした。真っ暗闇でヘリコプターを山中に近づけることができなかったからです。痛恨事だと自衛官は話していました。

今日ではGPSを使って位置の特定は素早くできます。当時はレーダー解析を通じて可能性の高い位置を絞り込んで行き場所を探し出して行きます。

在日アメリカ軍もレーダー解析しつつ即策への協力を申し出て待機をしていました。しかし、在日アメリカ軍に出動要請をすることはありませんでした。

自衛隊と警察で捜索を続けました。自衛隊も海上自衛隊、陸上自衛隊、現地と本部。警察も群馬県警、長野県警、現地と本部。複雑なやり取りが続きました。

現地からの貴重な情報が伝われなかった事例が検証されていました。救出が早かったならばもっと生存者がいたのではないかという可能性があります。

NHKは生存者へのインタビューのテープを保存していました。周囲に鳴き声が聞こえたとはっきりと証言していました。しかし到着は16時間後でした。

今回のNHKの特集は事故原因ではなくなぜ事故現場の発見が遅れたのかといういわゆるソフト面から事故の検証を行いました。大切な視点だと再認識させられました。

混乱し情報が錯綜する中で冷静さを保ち情報を取捨選択することの難しさを改めて知らされました。第一報が正確に活かされなかったのが悔やまれます。

全体を統括する体制が取れていなかったのと第一報がどのような内容であるのかをしつこく問い返す視点がなかったことが痛いです。情報の渦に飲み込まれてしまいました。

在日アメリカ軍を含め軍事技術のレベルを事前に正確に共有できていなかったことも発見が遅れた要因です。平時における情報交換が大切であることを示しています。

NHKの番組を観て30年前の自分を思い返していました。政治部に転勤したその日に事故が発生しました。総理大臣官邸の記者クラブに居ました。

夜7時のニュースの直前に第一報が入りその後は総理大臣官邸に入る情報の伝達係として訳もわからず走り回っているだけでした。動いてないといけないような気分でした。

関係するあらゆる場所で同様な混乱が生じていたはずです。その中から核心となる情報を抽出しなければなりません。第一報が決め手だと思いました。