加藤憲一小田原市長の暑い夏
(芸術文化創造センターイメージ図 小田原市ホームページより)
人口19万4千人の小田原市。人口減少傾向にあるとはいえ神奈川県西部の拠点です。特に交通の利便性は群を抜いています。
トップの加藤憲一市長は、年齢は40代後半で長身、マスクも品格があって、しかも弁舌はさわやかです。当然、選挙は圧倒的に強いです。
加藤市長のデビューは鮮烈でした。2008年5月、大政党の支持を得た候補を寄せ付けず圧勝しました。無所属で草の根選挙でした。
前市長の推進した開発事業を全面的に見直すことが公約でした。「チェンジ!」、スローガンも心地よく響きました。
しかし就任半年ほどでその公約はいきなり大転換しました。開発事業の目玉であった市民会館の建設は踏襲されることになりました。
私は明らかに公約違反だと思いました。多くの市民はゼロベースで見直し全く新しい市政が展開されると期待していたはずです。
1期目の加藤市政は公約転換で揺れました。2012年の選挙で決着がつきました。対立候補をダブルスコア以上で下しました。
加藤市長としてはこれでみそぎも済み開発計画に本格ゴーサインだと受け止めたと思います。そう思うのは当然の圧勝劇でした。
ところが本当の試練は時間をおいてやってきました。市民会館の建設は、「芸術文化創造センター」と名前を変え着実に前進するはずでした。
7月末に実施された入札で価格が折り合わず入札が不調となったのです。予算を上澄みして73億円の予算を組んだのに成立しませんでした。
国立競技場の建て替え問題と同様の構造があります。人件費や資材費の高騰で建設業者側が行政の見積もりにノーを突きつけた格好です。
最終的な建設費は80億はおろか、90億以上とか様々な憶測が流れています。現在の予定額を大幅に上回ると予想されています。
国立競技場問題と全く違うのは責任者が明快であることです。国立競技場の方は誰が本当の責任者なのか不明であいまいです。
こちらは加藤憲一市長の判断に全てがかかっています。どう転んでも加藤市長の決断、責任は加藤市長が負わなくてはなりません。
予算を大幅に上澄みしてあくまでも現行の設計を堅持するのか、現在の予算に合わせて設計を見直すのか、それとも全て凍結してやり直すかです。
どの道を選んでもきちんと市民に説明することができれば加藤市政が揺らぐことはないと思います。加藤市長には選挙の強さがあります。
説明責任が何より大切です。説得力を持った説明なしに方針転換は認められません。それはこの問題は公約違反に端を発しているからです。
公約違反のいわば落とし前をつけています。市民、市民の代表者である議会になぜそのような選択をしたのか判り易く明快に説明することが必要です。
説明責任を果たしさえすれば公約違反をつけは全て払い終えることができます。ピンチはチャンスですので思い切り良い言動を期待します。
加藤市長には小田原の内政問題を早く決着をつけて県西地域をリードする首長として飛躍を期待します。県西地域を底上げしないと危ういです。