ラグビー日本代表から「日本と日本人」を考える。

(ラグビー日本代表監督 エディー・ジョーンズ 日本ラグビー協会ホームページより)

私は大学ラグビーのファンで早稲田ラグビーが好きです。日本人の特性である俊敏性と器用さを活かして多彩な戦術を生み出してきました。

故・大西鉄之助監督が理論的な柱を作りました。大西さんには『わがラグビー挑戦の半世紀』という自伝的著書があります。

大西さんは、早稲田ラグビーで確立した戦術を日本代表に応用し輝かしい成果を挙げました。「展開・接近・連続」がキーワードです。

1971年にはラグビーの母国イングランド選抜チームに6対3の大接戦を演じました。日本ラグビーの黄金時代ともいえます。

ラグビーのワールドカップという国同士の対抗戦があります。1987年から始まりました。日本代表の成績は1勝23敗2分けです。

しかしここにきてかすかに光が出てきました。世界的な名将、オーストラリア人のエディー・ジョーンズさんが監督に就任してからです。

世界の強豪国に渡り合うところまでは行ってませんが惨敗は無くなりました。15日に日本代表が秩父宮ラグビー場で世界選抜チームと親善試合をしました。

結果は20対45でした。惨敗一歩手前といったところでした。9月にイングランドでワールドカップが開かれます。暗雲が漂い出しました。

ジョーンズ監督は、日本人の特性を活かしてという育成方針です。かつての大西鉄之助監督の哲学をほうふつさせる言葉です。

しかし額面通りには受け取れません。世界選抜との試合のスターティングメンバーの15人のうち7人が日本人ではなく外国人です。

ラグビーは日本国籍を持っている外国人はもちろんのこと日本国籍がなくても3年間日本でプレーした経験があると代表になれる仕組みです。

キャプテンは高校時代から日本に留学し東海大学を経て現在東芝に所属しているニュージーランド人のリーチ・マイケル選手です。

ジョーンズ監督は身体の小さい日本人だけでは世界では歯が立たないので許される限り外国人を主力選手として活用して戦っているのです。

日本代表の秘密兵器的な存在として脚光を浴びている松島幸太朗という選手がいます。父はジンバブエの出身のハーフです。

外国人が7人で日本人の切り札的な存在ががハーフという現状をどう受け止めるか、「日本とは日本人とは何か」を考えさせられます。

世界選抜との試合は12000人ほどの観客でした。ただ、会場が熱狂的な雰囲気に包まれる感じはテレビ画面からは受け取れませんでした。

ジョーンズ監督は、グローバル時代、様々な人種が集まっている代表チームを応援するのは当然の流れとしています。でも心底から血が騒がないのです。

日本人の特性を知り尽くした日本人の監督が自ら育て上げた日本人選手を中心に日本代表チームを作って欲しいと願ってしまいます。

これはナショナリズムでしょうか、私は差別主義者なのでしょうか。私は、日本人の血と、その伝統の上で成り立つ日本というこだわりを捨てられません。

 

 

 

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