随想

先月北京を訪れた際に3年前に訪れた時に比べると少し活気が落ちていると感じました。しかし夜の繁華街の民衆の熱気は相変わらずで圧倒されました。

その時と同じ感じが雰囲気が世界陸上のテレビ画面から伝わってきます。収容人員8万人のスタジアムは隙間がないほど人で埋まっています。

超巨大な発展途上の国のエネルギーを感じます。生活に余裕が出始めた好奇心一杯の民衆が大挙押し寄せているのではないかと思います。

中国の景気の減速傾向が伝えられています。しかし世界陸上の雰囲気を見ている限り中国の成長の勢いはまだまだ残っているのは間違いありません。

一方、超巨大な国が急成長したゆがみが出ます。天津の爆発事故もその一つの事例です。危険物よりももうけという構造が事故の背景にあると思います。

日本国内では発展途上の中国とは違って成熟した社会の闇を象徴した事件が起こりました。大阪で2人の中学生が殺害された事件です。

未解明なところが多過ぎますので軽々に論じられませんがそれにしてもなぜ深夜から未明にかけて2人の中学生が彷徨っていたのか謎です。

殺害して死体を遺棄したと見られる容疑者の動機も藪の中です。本当の理由がわからないと現代日本の社会の暗部に迫れません。

プライバシーに配慮しつつも真相に迫ってこそジャーナリズムです。報道は余りに表面的です。本来の使命を果たして欲しいです。

犯罪捜査とは防犯カメラの解析から始まる時代です。これほど防犯カメラが至る所に設置されているのかを改めて実感しました。

行動の一挙手一投足とまでは行きませんが相当程度解明されます。犯罪捜査にとっては必要不可欠ですが監視の眼は光っているとも言えます。

タイの繁華街で起きたテロと思われる爆発事件も犯人と思しき人物が防犯カメラから浮かび上がってきました。ごった返していても割り出します。

ただし犯行が起こってから捜査は開始されます。犯行自体を防ぐことは困難です。どこかで誰かがテロ行為を計画していてもまず防げません。

突如事件が起こる訳ですので衝撃を与えます。人々を恐怖に陥れることが出来ます。平和な日本で万が一爆弾テロが発生したらと思うとぞっとします。

南北朝鮮の緊張が高まっています。韓国のパク・クネ大統領が迷彩服を着て軍事関係の会議に出席している画像が流れていました。

北朝鮮が仕掛けたとされる軍事境界線付近での地雷によって韓国軍兵士が負傷したことに端を発しています。エスカレートしないとも限りません。

日本では安保法制に関する議論がいよいよ最終局面を迎えます。朝鮮半島情勢も不透明だから集団的自衛権が必要だと短絡するのは危険です。

集団的自衛権の行使を前提とすれば直接に日本への攻撃がなくても北朝鮮を敵国とする場合があります。北朝鮮が反発を強め仕掛けてくるかもしれません。

ミサイルを撃ち込むには全面戦争の覚悟が要ります。それより特殊部隊による爆弾テロを国策するかもしれません。何があるかは判りません。

テロ頻発の時代、集団的自衛権が必ずしも安全保障の強化にはつながらないと思います。旧来の発想に固執することは逆に危険を増大させる可能性があります。